犬は塩分を控えた方がいいの?というお問い合わせをいただいたことがあります。
健康な犬の場合は、とくに塩分を控える必要はありません。
なにごともバランスが大切で、与えすぎ、与えなさすぎは健康によくありません。
今回は、犬に塩分が必要なのか?塩のはたらきなどをまとめました。
塩分を摂りすぎる傾向のある犬の特徴も解説しますので、気になる方はみてみてください。
この記事の著者
- ペット栄養管理士
- 犬の管理栄養士
- 上級食育アドバイザー
- 日本ペット栄養学会正会員
- Bowls Fresh Dog Food 開発チーム
- 手作りごはん歴7年
- 食品衛生管理者
くわしいプロフィール
自身と暮らしているチワワがフードを食べなくなったことがきっかけで、手作りごはんに興味を持つ。
日々実感する手づくりご飯の魅力を伝えるべく、犬のごはん作りに関するブログ「チワワごはん」を開設。
ブログ運営の傍ら、犬の食事相談や栄養指導に励み、指導数は100匹以上にのぼる。
現在は、企業とのレシピ開発やコンサルにも力を注いでいる。
ブログ月間1.5万PV以上、インスタグラムのフォロワーは3.6万人ほど。著書「栄養満点なチワワごはんの作り方」
塩のはたらき
塩は、ナトリウムとクロールというミネラルでできています。
ナトリウムやクロールは、血液や体液(体内の水分)にかかわりがあり、胃酸の材料になるミネラルです。
血液の80%以上が塩でつくられているため、いきていくためにとても必要です。
加工された食品や食費期限が長い食品は、塩を多くふくむため、加工食品を多く食べている犬は塩分過多になりやすいです。
犬にも塩分は必要?
もちろん、犬にも塩分は必要です。
病気のために塩分を制限している犬以外は、むやみに塩分を制限しないでください。
ただ、塩分を摂りすぎるのもよくないので、加工品(かまぼこやハム、ベーコンなど)は、避けるようにしましょう。
手作りごはんは塩分が足りなくなる?
いろいろな食べ物に塩分が含まれていて、お肉やお魚はもちろん、お米にさえ少量の塩分をふくみます。
なので、一般的な手作りごはんで塩分が足りなくなることは、基本的にはありません。
お野菜だけのごはんを食べている犬は不足しやすいです。
塩分が不足すると
毛が抜けたり、うまく成長しないことがあります。
不足する状態が長く続くと、過呼吸や吐き気、疲労感などをまねきます。
塩分を摂りすぎると
食欲がなくなります。
血圧があがり高血圧、心不全を引き起こします。
塩分が多い食べ物
加工食品、顆粒・液体の出汁、みそ、煮干しなど
手作りご飯には、昆布やかつお節がそのまま使われている出汁パックや、無塩煮干しを使うようにしましょう。
みそには塩分が含まれていますが、発酵食品ならではの栄養素がとても豊富です。
たまにあげる分には問題ないので、みそ汁風ごはんも作ってあげるのもおすすめです。
参考文献
全国動物保健看護系大学協会 カリキュラム検討委員会編(2014)『動物看護学教育標準カリキュラム基準 専門分野 動物栄養管理学』左向敏紀監修 インターズー社.
中屋豊(2009)『図解入門 よくわかる栄養学の基本としくみ』秀和システム社.
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
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