この記事では、私の愛犬モナが今年の8月に子宮蓄膿症と診断されるまでの流れをくわしく載せています。
私がおかしいと感じたきっかけや、おりものの色、いまだからわかる愛犬からの子宮蓄膿症のサイン・初期症状など、子宮蓄膿症の疑いがある愛犬が心配な飼い主さんが知りたい情報をまとめています。
私とモナの体験談を書くことで、リアルな子宮蓄膿症の愛犬の様子や症状を画像で知ることができ、ほかの犬たちの早期発見につながるのでは。と思い、記事にしました。
目でわかるよう写真もたくさん載せていますので、おりものの色や膿について確認したいという方はぜひみてみてください。
犬種:チワワ
体重:1.7kg
発覚時の年齢:7歳5か月
避妊:未避妊
食事:手作りごはん
病歴:とくになし
この記事の著者
- ペット栄養管理士
- 犬の管理栄養士
- 上級食育アドバイザー
- 日本ペット栄養学会正会員
- Bowls Fresh Dog Food 開発チーム
- 手作りごはん歴7年
- 食品衛生管理者
くわしいプロフィール
自身と暮らしているチワワがフードを食べなくなったことがきっかけで、手作りごはんに興味を持つ。
日々実感する手づくりご飯の魅力を伝えるべく、犬のごはん作りに関するブログ「チワワごはん」を開設。
ブログ運営の傍ら、犬の食事相談や栄養指導に励み、指導数は100匹以上にのぼる。
現在は、企業とのレシピ開発やコンサルにも力を注いでいる。
ブログ月間1.5万PV以上、インスタグラムのフォロワーは3.6万人ほど。著書「栄養満点なチワワごはんの作り方」
生理が終わって3週間後に「黄緑色のおりもの」がでてきた
7月19日ごろに生理が終わり、その日からごはんを食べなくなる日が増えました。
元気は多少あったものの、大好物のとり胸肉にも興味をしめさないことが気になり、毒素がたまっているのかもと8月8日にマッサージをしました。
おなかをマッサージしていると、突然、陰部から黄緑色のおりものがでてきました。
私は、「バイ菌がはいったんだろう。すぐによくなるはず。」と軽くとらえ、マッサージを続けていくと、おりものとは考えられない量がでてきました。
↓クリックで黄緑色のおりものの実際の写真をみる
これはおかしいと思い、かかりつけの病院にすぐ電話し、1時間後に診察の予約がとれました。
直感的に出した方がいいものだと感じ、診察までの間、やさしくマッサージを続けると、50mlほど出てきました。
獣医師さんにみてもらおうと、おりものの一部はラップに包み、病院へ向かいました。
獣「子宮の病気かもしれません」すぐに血液検査と超音波検査をすることに
診察台で問診や熱を測っている途中、食欲のなさが気になり、マッサージするとこれが…とラップに包んだおりものを見せました。
すると、「あー…」といわれ、獣医師さんはだいたい検討はついているような表情をしていました。
熱は37.4度ほどで、犬にとっては低い体温になるそうで、獣医師さんは気にされていました。
「もしかしたら、子宮係の病気かもしれません。血液検査と超音波検査をするので、2~30分ほど待っていただけますか。」といわれ、モナを預け駐車場でまちました。
獣「子宮蓄膿症という子宮の病気で、すぐに手術が必要です。」
30分後、獣医師さんに呼ばれ診察室に行きました。
診察台のうえには、これまでに見たことがないほど赤い血液検査結果とエコー画像、子宮のイラストが大きく書かれた図鑑が開かれていました。
獣医師さんに血液検査結果の詳細と子宮蓄膿症という病気について説明を受けました。
いまモナは…?と聞くと、「いま、抗生物質とブドウ糖を点滴しています。できれば今日、そのまま入院していただきたいのですが…」といわれました。
ことの深刻さをあらためて感じ、胸がぎゅうっと締め付けられました。
子宮蓄膿症が発覚した日の実際の血液検査の結果
菌を倒そうとする白血球やリンパ球数が通常値の3倍~5倍高いのは、子宮のなかに膿がたまっており、菌をやっつけようとしている状態だそうです。
39度ほどの高熱がでていると菌を倒そうと体が正常に反応しているのですが、モナの場合、熱を出してたたかうこともできないほど体力がない状況だと説明されました。
一番下のCRPは体内で起きている炎症の強さを知ることができる数値だそうです。
高くても1.0ですが、モナの場合10以上で測定不能という数値でした。
ごはんを食べない日が続いていることから、低血糖がみられ、電解質バランスが乱れていることも血液検査でわかりました。
即入院で様子をみて、手術までの段取りを決めることに
「モナちゃんは手術が必要な子のなかでも早期発見の方で、貧血やおなかに漏れている心配もほとんどありません。血糖値が落ち着いてきたら膿のはいった子宮と卵巣をとる手術を行う予定です。低血糖がなければいますぐにでも取り除きたいのですが…。」といわれました。
「今日と明日点滴をしながら様子をみて、手術当日の血液検査の結果が良好であれば、明後日が手術日となります。埋まるといけないので一応、手術日は抑えてあります。」
モナの手術までのスケジュール
8/8 16時ごろ | 子宮蓄膿症発覚日 そのまま入院。 ブドウ糖と抗生物質の点滴 |
8/9 | 入院2日目 点滴を続け、手術まで血糖値が落ちつくのを待つ |
8/10 12時開始予定 | 入院3日目 手術日 |
サクサクと決まっていく手術や入院といった現状に頭がついていけず、スケジュールを何度も聞き返し、手術の必要性やモナの状態を説明してもらいました。
「よほど早期であれば抗生剤で散らすこともできますが、やはり再発してしまう子が多いです。モナちゃんの膿の具合と先のことを考えると手術した方がいいですね。」
「この病気は原因を取り除けば100%治る病気です。30分ほどで終わる手術なのでそこまで心配する必要はありませんよ。いまは15歳から17歳まで生きる犬もたくさんいます。この病気でいっしょに居られる時間を減らすのはありえません。」
と言われ、手術を決断しました。
私が見逃していたモナからの子宮蓄膿症のサイン
私が日頃つけていたモナの日記や写真を振り返り、いま考えれば子宮蓄膿症の初期症状だったのかも。と思い当たる症状や行動をまとめています。
- 急にごはんを食べなくなった&好きな食べものを食べなくなった
- 生理後におりものがでた
- 陰部をなめているいつもより期間が長かった
- 呼吸が荒い&体温が高い
- お散歩の歩きがゆっくりになった
- おなかがふくらんでいるような気がした
- 黄緑色のおりものがでてきた
ごく小さな変化にも気づけるよう時系列順に並べていますので、自身の愛犬の体調や様子と照らし合わせてごらんください。
急にごはんを食べなくなった&好きな食べものを食べなくなった
生理が始まった7月17日は食欲がすごく、手羽元をガツガツ食べ、数時間後に未消化のまま吐き出していました。
好物にはしゃいで噛まずに食べて、消化できずに吐き出してしまう事はこれまでに数回あり、病気による症状ではなかったためあまり気にしていませんでした。
チキンを吐き出した日をきっかけに、ほとんどごはんを食べなくなりました。
生理後なのに白っぽいおりものがでた
7月17日から生理がはじまり、出血は24日ごろに終わりました。
しかし、24日の夜にとても少量のおりもののが陰部からでていました。
生理が終わりかけだったため、子宮の残りにおりものが残っていたいたのかも。とあまり深刻に考えませんでした。
獣医師さんからもらった子宮蓄膿症の解説資料には、ごく早期の初期症状で生理後におりものがみられることがあると書かれていました。
このときにおりものについて深く追求していれば、薬だけの治療も可能だったと思います。
陰部をなめている期間がいつもより長かった
7月17日ごろから8月3日ほどまで陰部を気にしてよくなめていたので、今回は生理が長いな…と思ったのを覚えています。
今回の生理は血の量がいつもより少なかったため、少ないから期間が長いのかな、と考えていました。
お散歩の歩きがゆっくりになった
スタスタと軽快に歩いていましたが、7月の後半ごろからトコトコ歩くようになり、階段は、…よいっしょっと一段ずつ昇り降りする姿が目立ちました。
猫を追いかけ走ったり、気になる場所ではズンズン進むときもありましたが、ほとんどはゆっくり歩いていました。
呼吸が荒い&体温が高い
7月の後半からは、抱っこしているだけでスースーと聞こえるほど呼吸が荒く、胸がふくらむほど深い呼吸をしており、体温も高いように感じる日がありました。
おなかが膨らんでいるような気がした
8月8日、おなかをさわったときに、食事量のわりにおなかが膨らんでいる気がしました。
立体的にまるく膨らんでいるようで、おなかになにかが入っているのではと感じるほどでした。
パッと見てすぐわかるほど大きく膨らんでいたわけではなかったため、気のせいと言われればそうか…と思う程度でした。
しかし、食欲低下が続いていることも気になり、私は嫌な予感がしてマッサージをしてみようと思いました。
マッサージをしているときに気づいたこと:おなかに膨らんだものがある
マッサージをしようとおなかをさわると、おなかの左側にうんちのような太さのものがある事に気づきました。
強く触らなくてもすぐにわかるかたさと大きさでした。
この時にさわったのが子宮にたまった膿だったのだと思います。
黄緑色のおりものがでてきた
おなかをやさしくなでていると陰部から黄緑色のおりものがでてきました。
これは排膿と呼ばれる現象で、子宮にたまった膿が陰部に出てくる事だそうです。
子宮蓄膿症のおりものの色
クリックして実際の色をみる
黄緑色をしており、トロっとしていました。子宮蓄膿症時にでる膿は、白や透明、血が混ざったものと犬によって色はバラバラのようです。
子宮蓄膿症のおりものの臭い
おりものの生臭ささと菌のニオイがしました。
ネットではよく悪臭とかかれていますが、私はそこまで悪臭とは感じませんでした。風邪のときの鼻水のようなニオイに近いです。
子宮蓄膿症発覚前を振り返った感想:もっとはやくに気づけた
発覚前の体調不良をこまかく振り返ってみて、モナはいろいろなサインを送っていることに気づきました。
食欲不振やとり胸肉への反応のうすさ、生理後のおりものなど。
私は、モナからの小さなサインに気づいていたにも関わらず、夏バテや生理のだるさ、年齢による体の変化などが重なって起きているもので、大きな体調不良ではないはず。と勝手に判断してしまいました。
ごはんを食べなくなった7月17日、おりものがでた24日、気のせいかな?と思う小さな体調の変化から、子宮蓄膿症手術の8月10日まで1ヵ月も経っていません。
病気の進行が恐ろしくはやく感じました。
避妊手術をしていなかったため、子宮蓄膿症の存在やリスクの高さ、感染症で起きることは知っていました。
避けられたのではといまでも考えてしまいます。
まとめ:少しでも「気のせいかな?」と思ったらすぐに病院へ行ってほしい
- 生理中、生理後の食欲低下
- 生理後の白いおりもの
- 生理期間や陰部をなめている期間の長さ
- お散歩の歩き方や呼吸のあらさ、体温の高さ
- おなかのふくらみ
- 陰部からの大量のおりもの
一般的な症状にくわえ、モナにあらわれた初期症状をまとめました。
ネットで子宮蓄膿症の膿は白色とみかけ、私は病院に着くまで心の奥で、黄緑だったから大丈夫…。ただの炎症で薬を飲めば治るはず…と願っていました。
しかしそうはいかず、子宮蓄膿症を含めた病気のサインは個体差があり、どの犬も一般的な症状と同じわけではないことを知りました。
この記事がほかの犬と飼い主さんにとって、よりはやい子宮蓄膿症の発見のきっかけになれればうれしく思います。
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