あるとき、インスタグラムのフォロワーさんに「本は売っていないのでしょうか。ブログも拝見していますが、注意点や作り方が一つにまとまった本を、手元に置いてみながら作りたいと思っていまして…」というメッセージをいただきました。
私が本を出していないことを伝えると、「本作った方がいいと思います!販売されたら私買います!」と言われ、なんだか嬉しくなりました。たしかに、本の方が便利と感じる人や場面も多いだろうな思い、本を出版しようと思いました。
そして、2022年7月にAmazonで「栄養満点なチワワごはんのつくりかた」を出版しました。
中身はチワワのごはん作りに関する内容で、読者がわかりやすく理解できるよう絵やグラフをたくさん使ったり、言い方を一から考え直したりと何度も修正しました。
この記事では、私が本を作るまでの流れや思いを書いています。大変だったことや特にこだわったところ、電子書籍と紙の本の違いなどをまとめています。
本が完成するまで
私が最初に行ったことは誰に向けて本を書くかです。真っ先に思い付いたのは「犬の手作りごはんに興味はあるけど、栄養面が心配」という不安を抱いている飼い主さんです。
プロが犬に必要な栄養素を考えて作ったドッグフードに対して、素人の飼い主がつくる手作りごはんは、栄養バランスや栄養不足になるのでは…と誰でも不安に思います。私もその一人でした。
さらに、ネットで手作りご飯の栄養不足やバランスの崩れを指摘している記事をみかけると、栄養バランスまで考えたごはん作りは私には無理かも…とより不安が大きくなってしまい、なかには諦めてしまう人も多いはずです。
そんな昔の私のような人に役立つ、手作りご飯の栄養面の不安を解消しながら作り方が学べる本にしようと思いました。
チワワと暮らしていて、ごはん作りに興味をもったが栄養面に不安を抱いていて、なかなか一歩を踏みだせない。という方のごはん作りをサポートする本イメージして書きました。
文章作成
まず、Googleドキュメントで当ブログや初版(2022.3)参考にしながら注意点やNG食材など、作り方の基本をざっとまとめました。3ヵ月前の本の内容に今より詳しく知った情報を伝え方に気をつけながら書きなおしていきました。
文章を書くにあたり意識した部分は、難しい言葉を使わず、なるべく伝わりやすい言葉を使ったことです。たとえば、「過剰症は悪性腫瘍や皮膚の炎症を誘発する」ではなく、「とり過ぎるとがんやアレルギーを引き起こすスイッチとなる」と変換し、より身近でイメージしやすい言葉を使うよう意識しました。
とくに難しい単語が並びやすい栄養学の解説では、読むとスッと理解できるよう言葉をかみ砕いて、中学生でもわかるような文章を意識しました。私自身、難しい言葉やかたい文章がニガテなため、とくに栄養学の章はこだわりました。
また、はじめてごはんをつくる人が抱きやすい不安や疑問を、できるだけすぐに解決できるように、章ごとに質疑応答も多く書きました。1食分の量を説明している部分では「Q.太らせたいのですが、量は増やしますか?」「Q.ダイエット中ですが量は減らしますか?」など、よくある質問をこまめに取り入れ、スムーズに読み進められるよう工夫をしました。
難しいのはイヤモナ…
栄養面での不安を軽減するための各レシピの栄養バランス追加
より栄養面の不安が解消できるように全レシピに栄養バランスがわかるグラフや解説をつけくわえ、栄養学を知らない人でもパッと見た感覚で栄養について理解できる工夫をしました。
栄養バランスだけでなく、よりくわしく栄養学について知ることができるように各レシピの栄養素の解説と、どんな時に取り入れたいレシピなのかもくわえました。
栄養学について解説している章では、食材ごとの栄養バランスグラフを使って説明しました。食べものと栄養学をつなげて考える事で栄養について身近に感じられ、理解しやすくなると思ったからです。
とりもも肉は上に長い→タンパク質という栄養素が多い→タンパク質とは?不足、とり過ぎると?という流れで解説し、あまり抵抗なく栄養学を学べるようにしました。
この本を読んだ方が栄養バランスのよいごはんを作るにはどんな食材を取り入れたらよいのか。と感覚でわかるようになり、レシピをみなくても不安なくごはんが作れるようになることを意識して書きました。
あらたにわかった情報の追加
- 手作りご飯で不足しやすい亜鉛について
- そのほか、意識したいカルシウムやオメガ3脂肪酸
2022年3月に電子本の初版を出版していたのですが、あらためてわかったことがあり、新しく追加しました。
7月ごろ、犬のドッグフードや手作りご飯に関する論文を出している本澤清治さんにメールで情報提供いただき、手作りご飯の犬は亜鉛が不足していることが多い事実がわかりました。
本澤さんの論文には亜鉛不足についてくわしく書かれており、私の愛犬の症状と一致したためこれは本に書き加えなければ!と思いました。たまたま同時期にさきほどのフォロワーさんのメッセージもいただき、このタイミングで紙の本も一緒に出そうと思いました。
4か月前の本を書き直しているうちに「ここ解説足りないかも」「写真入れた方がいいかも」と思うようになり、いつのまにが初版よりもボリュームアップしました。
表紙作成
オレンジ色の初版の表紙はパッとみた時に、「チワワの手作りご飯!」というイメージが伝わりにくいように感じたため、新しく作り替えました。
実際にごはんを食べている写真をメインに使い、だれ向きなのか、何がわかる本なのかを意識しました。オレンジ色の愛犬の写真は私のお気に入りなので、最新版にも本の中に追加しました。
Amazonへアップロード
もっとも私が苦戦したことはアップロード後でした。
私はAmazonでの出版を考えていました。出版社のサポートがないため低コストでできる反面、下書きから出版まですべて一人で行う必要があります。私の本は写真やグラフ、表を多く使っているため、よくネットに載っている文字中心の一般的なやりかたではうまくいかず、自力で探すしかありませんでした。
Amazonにアップロードして本のプレビューを確認するのですが、Googleドキュメント上ではカンペキだったはずなのに、アップロード後におかしくなる現象に何十回も悩まされました。
- 写真がはみ出ている
- グラフが読めない
- 文字が小さすぎる
- ページがすべてズレている
- 余白が大きすぎる
アップロードと書き直しをくりかえし、納得のいく本にたどり着くまで100回以上は書き直した気がしています。文章を書く作業はブログで慣れているため苦ではありませんでしたが、経験のないデジタルな作業にはとても体力を使いました。
見開きの調整
電子本とちがい紙の本は見開きで見るため、同じ内容の話がめくった裏側のページだと見ずらい。という現象が起きます。
それを防ぐために、アップロード後にプレビューと訂正、再度アップロードをくりかえし、挿絵をいれたりグラフのサイズを調整し、読みやすい配置を心がけました。
価格設定
電子本と紙の本の価格設定は一般的な手作りごはんの本の値段を参考にし、なかでもお手頃な値段にしました。
Amazonの本読み放題会員の方は0円で読めるようにしようかな、とも考えたのですが、私自身、図書館やメルマガで0円で得た情報はすぐに忘れてしまう傾向があり、なかなか大切に思えません。
愛情を込めたからこそ愛情をもって読んでいただきたい…と思い、有料にしました。
そしてついに…本を出版!
2022年、7月29日に電子本改訂版、7月30日に紙の本が完成し出版となりました。
わからないことばかりでトラブルが多く、なんども挫折しそうになりましたが、良い経験になりました。
待っている方の存在と本澤さんから亜鉛不足に関する情報を聞き、これから手作りする飼い主さんに伝えなきゃという思いがエネルギーになり、本を出版することができました。
電子本と紙の本のちがい
電子書籍
紙の本
中身はまったく同じため、好きな方を選んでいただけたらと思います。
電子書籍はPDFのためどうしても上下の空白が多く、字が小さいです。紙の本より読みにくいと感じる方もいると思います。また、ダウンロード時にネットを使うため、ネット環境が整っている方のみダウンロードが可能です。一度ダウンロードすると、いつでもスマホやkindle端末で見ることができます。
紙の本は、料理中に読みやすいようA4サイズにしました。紙のサイズが大きいため途中でバタンと閉じにくいところも使いやすい部分かなと思っています。
紙の本は手に取って読むことができるため、やはり安心感があるのが大きいなと思います。
こんな人に読んでほしい
- はじめてチワワにごはんを作る人
- ごはんづくりに不安を抱いている人
- 手作りご飯=栄養不足、バランスが悪いと思っている人
- 作り方や注意点がわからない人
- 素人は犬のごはんを作っちゃいけないと思っている人
- カロリーや栄養素の計算をしなくちゃいけないと思っている人
この本を読めば、栄養満点なごはんの作り方だけでなく、栄養面での不安や疑問が解消でき、自信をもってごはん作りができるようになります。
手作りごはんに興味はあるけど、栄養不足やバランスの崩れが心配。と思っている人にぜひ読んで欲しいです。
この本が、必要としている人に届くように祈っています。
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