膵炎の愛犬を全力で支えたいけど、食事の面で不安を抱えている。という飼い主さんは多いです。
たとえば、退院後、どのような食事をあげたらいいのかわからないという方や、もともとフードの食べムラや好き嫌いがある愛犬で、膵炎になってから一段とフードが嫌になり、ごはんを食べてもらうのに苦労している方、病院からすすめられた低脂肪の療法食をまったく食べないことに悩んでいる方、食べる日と食べない日の波が激しく、減っていく体重をみて胸がつまるような思いになる方など。
膵炎の再発予防や機能低下を防ぐためには、体力と栄養素とカロリーが必要です。そのためには、やはりごはんを食べてもらうことが大切です。
この記事では、膵炎になり食欲が落ちている10歳から15歳くらいの愛犬がごはんを食べないときに考えられる原因と対処法をまとめています。
食事を管理する前に知っておきたい膵炎のことや、おすすめの食事回数、再発を予防するための食事管理方法などものせていますので、食欲が落ちている膵炎の老犬をサポートするため一つの方法として参考にしていただけたらうれしいです。
この記事の著者
- ペット栄養管理士
- 犬の管理栄養士
- 上級食育アドバイザー
- 日本ペット栄養学会正会員
- Bowls Fresh Dog Food 開発チーム
- 手作りごはん歴7年
- 食品衛生管理者
くわしいプロフィール
自身と暮らしているチワワがフードを食べなくなったことがきっかけで、手作りごはんに興味を持つ。
日々実感する手づくりご飯の魅力を伝えるべく、犬のごはん作りに関するブログ「チワワごはん」を開設。
ブログ運営の傍ら、犬の食事相談や栄養指導に励み、指導数は100匹以上にのぼる。
現在は、企業とのレシピ開発やコンサルにも力を注いでいる。
ブログ月間1.5万PV以上、インスタグラムのフォロワーは3.6万人ほど。著書「栄養満点なチワワごはんの作り方」
犬の膵炎とは
膵炎とは、膵臓で強い炎症が起き、本来味方であるはずの存在に攻撃されてしまい、みずからを破壊してしまう状態のことです。
そもそも栄養素というのは、食べもの→栄養素→もっとこまかい栄養素→吸収されるという流れにのることで、はじめて体のなかに取り込まれます。
膵臓は、栄養素→もっとこまかい栄養素にするために、栄養素が入ってきたときに、3つの軍隊にいまだ!と出動命令をだします。
この3つの部隊は、それぞれたんぱく質、脂質、糖質をこまかくくだき、もっとこまかい栄養素にします。もっとこまかい栄養素たちは、膵臓エリアを通過し、べつの場所で吸収されるという流れです。
膵炎になると、なんらかの原因で3部隊が興奮してしまい、膵臓から指示がでていないのにフル稼働でくだく作業を行います。
それにより、時間とともに膵臓がこまかく砕かれてしまう状態を膵炎といいます。症状が進行すると、軍隊が膵臓を飛び出し、ほかの臓器にも悪影響を与えてしまいます。
犬の膵炎で考えられる原因
正確な原因はいまだに不明ですが、以下の要因が複数にからんだときに発症するのでは。と考えられています。
- 生ゴミやゴミなどの食べられないものを食べたとき
- 高脂血症、肥満
- 高カルシウム血症
- 去勢手術を含めた過去の手術
- 僧帽弁閉鎖不全症の僧帽弁形成手術後
- 腎臓病の療法食の長期間摂取
- 炎症性腸疾患(IBD)
- 上皮小体機能亢進性
- 麻酔後、血圧が下がったとき
- 薬の投与(ステロイド、利尿薬、シメチジン、臭化カリウム 、アザチオプリン)
- 副腎皮質機能亢進症
- 甲状腺機能低下症
- ウイルスや寄生虫の感染
- 血管系の異常
- 糖尿病
- 胆道系や免疫系の病気
- 古くなった脂肪や加工度の高い脂肪
以前は、脂肪の多い食事が膵炎をひきおこすと考えられていました。
しかし、脂肪たっぷりの食事をしていても膵炎にならない犬がいることや、実際に膵炎と診断された犬は一週間前に生ゴミを食べていたり、ゴミ箱のなかを漁っていた事が多いため、脂肪の多い食事を食べたからといって膵炎になるわけではないのではと考えられています。
肥満の場合、1.3〜1.9倍も膵炎のリスクがあがってしまうため、予防法のひとつとして肥満を防ぐ食事管理が大切です。
膵炎の要因にかかわるとしてステロイドがあがっているため、現在、膵炎の治療としてステロイドをあげている方は不安に思ったかもしれない、と思ったので、補足しておきます。
参考:イヌにおける急性膵炎の疑いに対するコルチコステロイドの有無による初期治療の比較【JST・京大機械翻訳】
また、高齢の去勢した愛犬に多くみられることや、膵炎を誘発しやすい犬種も報告されています。
参考:New insights into the etiology, risk factors, and pathogenesis of pancreatitis in dogs: Potential impacts on clinical practice
Q.犬の急性膵炎とストレスって関係がありますか?
犬の場合、精神的なストレスが直接的な原因で膵炎を発症することはないようです。
ただ、ストレスがかかることで腸内環境が変化し、食べものや栄養素の消化・吸収が悪くなることもあるため、ストレスのある環境は避けましょう。
犬の膵炎の症状
- 元気の喪失
- 食欲低下
- 嘔吐
- 腹痛
- 下痢(血が混ざることも)
膵炎は痛みをともなうため、腹痛時はおしりを高くあげて胸を地面につけるポーズやおなかを丸めるポーズなどがみられることがあります。
軽症のうちは、白い泡のついた液体(胃液)や消化された流動食のようなものを吐くことが多いです。
重症化すると、まったく消化されていない食べものや黄色っぽい液体(胆汁)をいきおいよく吐く(吐出)ことがあります。
しっておきたい嘔吐と吐出のちがい
もし愛犬に嘔吐や吐出がみられたときはビニール袋につつんで獣医師に見せることで、より的確な診断を手伝うことができます。
膵炎の犬は絶食をするの?
現在は絶食絶水させずに、嘔吐をとめる薬を使いながら腸にチューブをつなげて栄養素を送ることで膵炎の炎症をおさえ、進行をゆっくりにすることがわかったため、なるべくはやく栄養素を送る治療が取り入れられる治療法が多いようです。
絶食を続けると膵臓がちぢまってしまい機能が落ちてしまうため、機能低下を防ぐため絶食後は、なるべくはやく食事やチューブ等から栄養素を与えることが大切です。
参考:福島建次郎 「膵炎の食事管理」 東京大学動物医療センター第2内科(消化器)
慢性膵炎と急性膵炎の違い
症状や原因に違いがあるわけではなく、急性膵炎が長く続いたり、再発をくりかえす状況を慢性膵炎といいます。
急性膵炎は、獣医師の処方するお薬をのみ、食事管理をきちんと行うことで、もとの膵臓に戻ることができます。
しかし、慢性膵炎になるともとの膵臓に戻ることはありません。慢性膵炎の場合、糖尿病を発症するリスクがあがため、再発を防ぐことが大切です。
Q.膵炎は不治の病ですか?治療したら治りますか?
急性膵炎は、早期発見であれば数日から1週間ほどの入院で完治を目指すことができます。
慢性膵炎は完治は難しいため、症状の緩和や膵臓の機能低下を防ぐこと、食欲の改善を目指します。
膵臓の性質上、膵炎になる前の膵臓に戻ることはなく、時間とともに機能の低下は進んでしまいます。
しかし、獣医師によるアドバイスやお薬の服用に従い、食事管理を行うことで機能低下のスピードを遅くしたり、症状を抑えることができ、食欲の改善も見込るため、諦めずに愛犬を支えることが大切です。
Q.犬の膵炎は食べ物が原因になることありますか?
数名の獣医師が、テキサスにあるA&M大学小動物クリニックの医療記録をもとに、犬の膵炎と食事要因を調べた研究では、以下の食事が膵炎のリスクをあげたことがわかっています。
- 膵炎と診断される1週間前に、ゴミ箱のなかをあさっていた
- カットしたお肉の脂身などの生ゴミ、ゴミ、腐った食材を食べていた
- 残った人間用の食事を与えていた
- テーブルの下に落ちている食べものを食べていた
参考:New insights into the etiology, risk factors, and pathogenesis of pancreatitis in dogs: Potential impacts on clinical practice
個体差があるため、テーブルの下に落ちている食べものを食べたすべての犬が膵炎になる。というわけではなく、あくまでもリスクをあげてしまうということを頭に入れておきましょう。
膵炎の愛犬が食事を食べないときの原因と対処法
膵炎の愛犬が食事を食べないことに関して、体力が落ちてしまうことや筋肉が落ちてしまうこと、栄養素やカロリーが足りないのでは。と心配に思う方が多いです。
膵炎の愛犬が食べない原因を理解することで、愛犬に寄り添いながら、自分から食べたくなるように工夫することができます。
膵臓をいたわりながら、いまより楽しい食事時間になるよう愛犬に合った対処法を探していきましょう。
考えられる原因
- いまの状態よりも臓器や体内を回復させようとホルモンや細胞が動き出します。その仕事に全力をそそぐために、いまは食べてる場合じゃない!と脳が司令を出すため、膵炎を含めた病気とたたかう愛犬は食欲がないことが多いです。
- 膵炎の症状のひとつとして食欲不振があるため(消化に関する仕事をする臓器のため、いまは食べものをいれないで。という信号を送り、それが食欲不振につながる)
- 炎症や腹痛により体内のエネルギーが奪われることで、疲労がたまり、食欲をより低下させてしまうことがあります。
膵炎になると食欲が落ちてしまうのは自然な反応で、体が膵炎とたたかっているサインです。
しかし、膵炎は消化に関わる臓器であることと、痛みをともなう病気のため、炎症が軽度に収まっても食欲が低下しごはんを食べたがらない。ということが多いです。
まったく食欲がないわけではなく、好きなものは食べるという場合もあるため、膵臓にやさしい食材などをトッピングしたりと工夫することで、ムリのない栄養素とカロリー補給ができます。
対処法
- 膵炎用のフードをお湯でふやかし、フードプロセッサーやミキサーで流動食にして与える
- どうしても食べないときはリキッドタイプの療法食をシリンジで与える
- 低〜中脂肪食の手作りごはんをあげる
- 食欲不振がひどい場合や嘔吐がみられるときは獣医師に相談する
愛犬と飼い主さんにとってどの選択肢が最善なのかを判断できるよう、もう少し細かく対処法をみていきましょう。
対処法1:膵炎用フードを流動食にして与える
お湯でふやかしても食べない場合、フードプロセッサーやハンドブレンダーなどでこまかくして与えると食べることがあります。
スプーンで口に持っていったり、指に少しつけて舐めさせてみましょう。
一口食べると自分から食べてくれることもあるため、流動食を歯茎に塗ることも有効です。
なかには鼻につけると舐めて、それがきっかけで食べることもあるため愛犬によっていろいろな方法を試して、まずは一口食べてもらうことを目指しましょう。
対処法2:リキッドタイプの療法食をシリンジで与える
ロイヤルカナン ドッグフード 消化器(高栄養) リキッド 200ミリリットル (x 3)
1本千円と高価ですが、体重によっては1本で必要なカロリーや栄養素をとることができるので、どうしてもごはんを食べないというときに役立ちます。
リキッドタイプの療法食はとろみのついた流動食のため、固形のフードよりも消化に負担がかからず、栄養素が吸収されやすい特徴があります。
獣医師のもとで購入するとシリンジでの与え方や注意点を教えてもらえ、誤飲等を防ぎながら食事ができるため、はじめてリキッドタイプの流動食を購入する際は獣医師のもとで購入することをおすすめします。
対処法3:低〜中脂肪食の手作りごはんをあげる
膵臓に負担をかけない食材だけでごはんをつくることもできます。
栄養バランスが崩れそう…と思うかもしれませんが、いくつかのポイントをおさえるだけで誰でもカンタンに膵炎のためのごはんがつくれます。
以下の通りにつくると膵臓にやさしいごはんがつくれます。
- 脂肪の少ない食材を使う
- 膵臓の炎症をおさえ、再発を防ぐ食材をつかう
- 消化によい食材を使う
- お水もたくさんあげる
- 切り方や調理法を工夫して愛犬の好みを探り、食欲低下を防ぐ
- 膵臓ケアにおすすめの食材を使う
- 栄養バランスはもちろんだけど、とにかく食べてくれる食事づくりを意識する
くわしい作り方やレシピはべつの記事で解説していますので、気になる方はぜひみてみてください。
対処法4:食欲不振がひどい場合や嘔吐がみられるときは獣医師に相談する
ごはんを食べない状態が続くと、筋力や体力の低下、免疫力の低下、膵臓の機能低下の進行などを引き起こしてしまいます。
野菜やお肉をあげても一口も食べない日が続くようであれば、なるべくはやく病院に行き、獣医師のアドバイスに従い、栄養補給を行いましょう。
嘔吐がみられるときは膵臓で炎症が起きていることがおおいので、すぐに病院に行きましょう。
膵炎の愛犬の食事回数はどのくらいがいいの?
愛犬にもよりますが、1日3〜4回ほどにわけて与えると、食欲が落ちている愛犬にムリなく食事をすすめることができます。
5〜6回の方が食べてくれるという愛犬もいるので、回数やあげる時間帯などを調整して、愛犬にとって食べやすい回数とタイミングを探してみましょう。
膵炎のときや再発予防時の食事管理方法
膵炎は、食事で症状が緩和したり悪化、再発などの可能性も高めてしまうため、食事の内容がとても大切です。
自宅に帰ってから、どんな食事を与えたらいいのかわからない飼い主さんの膵臓に負担をかけない食事内容や膵炎におすすめの食材などをまとめています。
膵炎のときや再発予防時の食事内容
- 急性膵炎は低〜中脂肪食に切り替えて、消化によいごはんをあげる(乾物時の脂肪15〜30%)
- 慢性膵炎や高脂血症、太り気味の慢性膵炎の場合は、低脂肪食を与える(乾物時の脂肪10%未満、または15〜30%と報告によりバラつきがあります)
- 消化によくするため、早食いを防ぐボウルやフードをふやかして水分を増やしたり、1日の食事量をこまかくわける
- 急性膵炎の愛犬が肥満の場合は、体重を意識しながら運動も取り入れる
急性膵炎の症状がおさまった後も、再発を防ぐため低〜中脂肪食を続けることがすすめられます。ドッグフードでは、20%未満が低脂肪食とされています。
厳密な期間は決まっていませんが、日本小動物医療センター 総合診療科・消化器科の獣医師、中島亘さんは、症状が見られなくなってから最低でも3ヶ月間は低脂肪食を与えているとのべていました。
あくまでも目安なので、愛犬の体調と獣医師さんとの相談のもと、どのくらい療法食を食べ続けるのかを判断していきましょう。
よくある質問
記事内では解決できなかったこまかい質問をまとめています。
Q.膵炎は再発するって聞くけど、食事管理に気をつけていたら大丈夫なの?
脂肪の多い食材を与えない、肥満の場合はダイエットをする、生ゴミなどの消化に悪い食材を食べないよう環境を整えることで再発予防ができます。
ただ、お薬や遺伝、免疫が関係していることもあるため、いつもと違うお薬を与えるときや免疫力が低下しているときは、いつもより注意深く愛犬を見守りましょう。
Q.低タンパク質と高タンパク質どちらがいいの?
いまのところ、膵炎には低〜中脂肪・中〜高糖質の食事が再発防止に適していることはわかっていますが、たんぱく質の割合はハッキリとは決まっていません。
脂肪57%、糖質5.8%、たんぱく質25%の食事→突発性てんかんの犬9頭のうち3頭が膵炎を発症
脂肪16%、糖質54%、たんぱく質25%の食事→突発性てんかんの犬31頭のうち2頭が膵炎を発症
脂肪26.3%、残り記載なし→ストルバイト結石の犬50頭のうち3頭が膵炎を発症
参考:Patterson E, Munana K, Kirk C, et al. Results of a ketogenic food trial for dogs with idiopathic epilepsy. J Vet Intern Med. 2005;19:421.
参考:Wingert AM, Murray OA, Lulich JP, Hoelmer AM, Merkel LK, Furrow E. Efficacy of medical dissolution for suspected struvite cystoliths in dogs. J Vet Intern Med. 2021;35(5):2287-2295.
膵炎の犬を対象にしたデータはみつからなかったのですが、以上のデータをみると、たんぱく質は25%ほどを目安にし、糖質からカロリーをとるバランスがよいと考えられます。
AAFCOやNRCの栄養基準では、一般的なフードはたんぱく質が18〜25%、高タンパク質フードの場合、30%ほどとされる傾向があります。
そのため、中たんぱく質・低〜中脂肪・中〜高糖質のバランスが膵臓ケアに適しているのではと考えられます。
Q.市販のフードと手作りご飯、どっちがいいの?
体のことを第一に考えると、手作りごはんがおすすめです。
療法食の特徴
- 必要な栄養素やカロリーがしっかりとれる
- かんたんに膵臓ケアに適した食事があげられる
- 加工されたたんぱく質や脂肪、添加物、合成ビタミン・ミネラルが多いため消化器の負担が大きい
- 消化吸収時に臓器の機能をフルパワーで動かすため、消化器が疲弊しやすい
- 添加物を消化するのにビタミンB郡が多く消費されてしまい食欲や免疫力の低下につながる
- 細胞の傷を増やしてしまい、がんや老化、糖尿病、免疫力低下のもとである活性酸素の数が増えてしまう
手作りごはんの特徴
- フード嫌いな愛犬の食欲を刺激することができる
- 消化によく吸収もよいため臓器をいたわりながらごはんをあげることができる
- 水分が多く野菜を含むため、血糖値が急激にあがりずらく、糖尿病予防に適している
- 寿命が長くなる可能性がある
- 作りかたによっては必要な栄養素やカロリーがとれないことがある
- 食材の選択を間違えると膵臓に負担をかけることがある
ベルギーの獣医師であるLippert氏とSpay氏が、犬の食事と平均余命に関するデータを5年間かけて約500頭分集めた結果、手作り食を食べている犬の寿命が長いことがわかりました。
手作りごはんを定期的に作るのは難しいという方は、週末だけ、月に数回だけと、できるときにでもよいので、ごはんを作ってあげることで愛犬をよりサポートすることができます。
なんとなくで作ってしまうと再発のおそれや症状を悪化させる可能性もあるため、ごはんを作る前に膵臓ケアの知識をつけることが大切です。
さいごに:膵炎は食事管理で、愛犬の負担をへらすことができる
膵臓をいたわる食事を意識することで、症状の緩和や食欲の改善、再発予防ができ、膵炎とたたかう愛犬の負担を減らすことができます。
脂肪を少なくしたバランスのよい食事では、膵臓の機能低下の進行速度をゆっくりにすることもできるため、低〜中脂肪・中たんぱく・中〜高糖質の食事を意識することが大切です。
再発しないため、繰り返さないためにもごはんを食べてもらえるよう工夫し、愛犬を全力でサポートしましょう。
この記事を読んでいる方のなかには、手作りごはんに興味がある方も多いと思い、膵炎の老犬をサポートするためのごはんの作りかたをまとめました。
以下では、膵炎をいたわるための食材や食欲アップに役立つ食材、膵炎用レシピをいくつかご紹介しています。
ごはんを食べさせてみたいけど、なにをあげたらいいかわからないという方の不安や疑問をすべて取り除き、膵炎ケアのための手作りごはんの知識をつけられるようまとめています。
気になる方はぜひ参考にしてみてください。
参考文献
一般社団法人日本ペット栄養学会編(2014)「ペット栄養管理学テキストブック」アドスリー社.
イホア・ジョン・バスコ著(2016)「健康維持・病気改善のための愛犬の食事療法」ガイアブックス社.
山根義久著, 公益財団法人 動物臨床医学研究所監(2012)「イヌ・ネコ 家庭動物の医学大百科 改訂版」パイインターナショナル社.
ドナルド・R・ストロンベック著(2004)「犬と猫のための手作り食 ペットの健康のための賢い選択」光人社.
中島 亘「犬の膵炎に関するアップデート ~病態から栄養管理まで~ 3.治療」動物臨床医学、2014、23(3) p.97-97.
日本動物医療センター フリーマガジン「膵炎を知ろう」 Smile No.25、2020
Jörg M. Steiner「Pancreatitis in Dogs and Cats.」2022, Digestive System MSD Manual.
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