お野菜に多いカリウムは、体をつくる材料になるミネラルです。
カリウムは多すぎても、少なすぎても病気をまねきます。
今回は、犬のカリウムの数値が高いとどうなるのか、逆に低いとどうなるのかを解説します。
カリウムのはたらきや、カリウムを多く含む食べ物ものせていますので、気になる方はみてみてください。
この記事の著者
- ペット栄養管理士
- 犬の管理栄養士
- 上級食育アドバイザー
- 日本ペット栄養学会正会員
- Bowls Fresh Dog Food 開発チーム
- 手作りごはん歴7年
- 食品衛生管理者
くわしいプロフィール
自身と暮らしているチワワがフードを食べなくなったことがきっかけで、手作りごはんに興味を持つ。
日々実感する手づくりご飯の魅力を伝えるべく、犬のごはん作りに関するブログ「チワワごはん」を開設。
ブログ運営の傍ら、犬の食事相談や栄養指導に励み、指導数は100匹以上にのぼる。
現在は、企業とのレシピ開発やコンサルにも力を注いでいる。
ブログ月間1.5万PV以上、インスタグラムのフォロワーは3.6万人ほど。著書「栄養満点なチワワごはんの作り方」
カリウムのはたらき
カリウムは犬の血液や細胞をつくり、病気とたたかう免疫力の材料になります。
摂りすぎたナトリウムを外に出すはたらきもあるため、高血圧の犬は意識してとりましょう
体内のカリウムの98%が細胞の中に存在し、細胞が死なないように、細胞の中と外の、濃度バランスをとる役割があります。
濃度バランスがくずれてしまうと細胞が破裂したり、縮んでしまいます。
生きていくためには、カリウムの存在が大切、ということです。
カリウムの数値が低い
カリウムを長期間不足していると、免疫力がさがり、嘔吐や下痢、慢性腎不全などを引き起こします。
ちなみに、慢性腎不全の初期の場合は、血液検査の数値に異常はでず、おしっこの回数と量が増える特徴があります。
カリウムの数値が高い
極度にカリウムを摂取していると、おしっこの通り道がふさがれ、結石などの感染症になるリスクがあがります。
副腎皮質の機能が下がり、血が足りなくなり、命の危機に陥ることもあります。
お野菜だけを食べている犬は、カリウム過多になりやすいので、塩を積極的に与えましょう。
カリウムが多い食材
刻み昆布、ひじき、昆布、わかめ、切り干し大根、パセリ、ほうれん草などに多いです。
とくにお野菜やフルーツに多いですが、お肉やお魚などいろいろな食べ物に含まれています。
参考文献
Kalenya K, Heilmann RM(2018)『Canine hypoadrenocorticism – an update on pathogenesis, diagnosis and treatment.』PubMed.
阿部又信(2008)『動物看護学全書 第8巻 [改訂3版]動物看護のための小動物栄養学』日本小動物獣医師会 動物看護士委員会監修 ファームプレス社.
全国動物保健看護系大学協会 カリキュラム検討委員会編(2014)『動物看護学教育標準カリキュラム基準 専門分野 動物栄養管理学』左向敏紀監修 インターズー社.
中屋豊(2009)『図解入門 よくわかる栄養学の基本としくみ』秀和システム社.
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
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