犬の健康にいい油ってなに?
愛犬に摂らせるならコレ!っていう油とかってある?
質の良い油を買いたいから、油の選び方を教えて欲しい。
という疑問にお答えします。
この記事を読むと、犬の健康に良い油の種類や、質の良い大切な油の選び方を知ることができます。私が選んだ安全性の高い油もご紹介していますので、ぜひさいごまで見てみてください。
この記事の著者
- ペット栄養管理士
- 犬の管理栄養士
- 上級食育アドバイザー
- 日本ペット栄養学会正会員
- Bowls Fresh Dog Food 開発チーム
- 手作りごはん歴7年
- 食品衛生管理者
くわしいプロフィール
自身と暮らしているチワワがフードを食べなくなったことがきっかけで、手作りごはんに興味を持つ。
日々実感する手づくりご飯の魅力を伝えるべく、犬のごはん作りに関するブログ「チワワごはん」を開設。
ブログ運営の傍ら、犬の食事相談や栄養指導に励み、指導数は100匹以上にのぼる。
現在は、企業とのレシピ開発やコンサルにも力を注いでいる。
ブログ月間1.5万PV以上、インスタグラムのフォロワーは3.6万人ほど。著書「栄養満点なチワワごはんの作り方」
犬にいい油は、オメガ3一択
犬の健康に役立つ油は、オメガ3脂肪酸を含む油です。
理由は、犬が毎日摂るべき栄養素であることと、不足しやすいからです。
愛犬がオメガ3をとった方がいい理由1:毎日摂るべき栄養素だから
オメガ3脂肪酸は、必須脂肪酸という部類にはいります。
必須脂肪酸というのはかんたんにいうと、体で作り出せないから、毎日食べものからとってね。ということです。
\オメガ3が不足するどうなるの?/
- アレルギー発症のリスクがあがる
- 心臓病のリスクがあがる
- 血栓ができやすくなる
- がんなどの生活習慣病になりやすくなる
- イライラしやすくなる
オメガ3が不足すると、いいことは一つもありません。
犬はオメガ3を体で作り出せません。
オメガ3を摂るには、食べ物から摂る方法しかないので、わたしたちが意識して食べさせることで、オメガ3不足が防げます。
愛犬がオメガ3をとった方がいい理由2:不足しやすいから
オメガ3はお魚や特定の油に多く、含まれている食材が限られるため、意識しないと摂りずらい栄養素です。
お肉を食べた分、比例してオメガ3の必要量が増えます。
かんたんにいうと、お肉を中心に食べている愛犬は、オメガ3が不足しやすいため、積極的にあげる必要がある。ということです。
お魚はあまり食べないけど、お肉は大好き!
という愛犬はオメガ3が不足しやすいので、積極的に摂るようにしましょう。
オメガ3のはたらき
オメガ3には、視力や脳、血管や心臓を健康にするはたらきがあり、血液をサラサラにし、がんや老化、生活習慣の予防にも役立ちます。
最近の研究では、犬のてんかんの症状を軽減したという結果もあるため、てんかんに困っている小型犬も積極的に与えたいです。
オメガ3が多い食事をしたマウスは、普通の食事を食べているマウスと比べて、学習能力と集中力が高かったということもわかっています。
また、他の油と比べてアレルギーの原因を作りにくく、皮膚の炎症を抑えるはたらきがあるので、アレルギー予防・対策にも役立ちます。
オメガ3を積極的に摂りたい犬
- 老犬
- 成犬
- アレルギーを持つ愛犬
- お肉中心のごはんを食べている愛犬
- てんかんに困っている愛犬
オメガ3は老化ともたたかう栄養素なので、老犬にも摂らせたい油です。
オメガ3が多い油は、えごまかあまに、サチャインチオイルの3つ
オメガ3脂肪酸はバターやオリーブオイルなどには含まれておらず、えごま油、あまに油、サチャインチオイルなどにしか含まれていません。
それぞれオメガ3を含む量や、成分などに違いがあるので、くわしくお話ししていきます。
グラフのきみどり色の、α-リノレン酸というがオメガ3の量です。
オメガ3がもっとも豊富なえごま油
引用:井上浩義(2016)「知識ゼロからの健康オイル」幻冬社.
しその仲間のえごまからとれる油で、3つの油の中で最もオメガ3が豊富です。
がんや生活習慣病を遠ざけるロスマリン酸が豊富なのも、えごま油の特徴です。
しそ油とえごま油はどちらも同じ油なので、どちらを買っても大丈夫です。
すこし魚臭いあまに油
引用:井上浩義(2016)「知識ゼロからの健康オイル」幻冬社.
2番目にオメガ3脂肪酸が多いのが、あまに油です。
あまに油は少しだけお魚のようなにおいがするため、お魚が苦手な犬は嫌がる可能性があります。
加熱に向いているサチャインチオイル
引用:井上浩義(2016)「知識ゼロからの健康オイル」幻冬社.
3種類の中でもっとも加熱に強いのが、サチャインチオイルです。
インカインチオイル、グリーンナッツオイルと呼ばれることもあります。
えごま油とあまに油よりも、2倍近くビタミンEが豊富なため、がんや病気をはねのける力が強いのも特徴です。
老犬にはサチャインチオイルがおすすめです。
いい油の選び方のコツは3つ
酸化がすすんでしまっている質の悪い油を選んでしまうと、体に悪いものを取り入れてしまうことになります。
酸化がすすんだ油は、細胞や遺伝子を傷つけ、がん細胞などの病気の原因をつくってしまいます。
愛犬のためにも、質の良い油の選び方のポイントに目を通しておきましょう。
- 黒いビンにはいっているか
- 圧搾法か
- 原料についての説明があるか
1.光をさえぎる瓶に入っているか
オメガ3は熱、空気、光によってすぐに酸化してしまいます。
黒か茶色い瓶の油を選ぶことで、光による酸化を防げます。
2.圧搾法(あっさくほう)か
油を抽出する方法は、圧搾法(あっさくほう)と溶剤抽出法があります。
パッケージか商品名に圧搾法と書かれているものを選ぶと、質のよい油を安全に選ぶことができます。
原料についての説明があるか
じつは、油につかう原料にどんなに農薬を使っていても、油として売るときに成分表示に書く義務はありません。
どんな原料を使ったか、などの説明書きがある油は、安全性と質が高いためおすすめです。
なるべく遺伝子組み換えされていないもので、農薬をあまり使っていない油がおすすめです。
人間用と犬用のオメガ3オイルはどっちがいいの?
どちらでも大丈夫です。
オメガ3脂肪酸というのは、栄養素なので、人間用も犬用も変わりはありません。
犬用のオメガ3オイルは、同じ内容でも人間用よりも高いものが多いので、私は市販で売っている人間用のえごま油をあげています。
私が安全だと思うおすすめオメガ3オイル
さきほど説明した油の選び方で選んだ、オメガ3を含む油をご紹介します。
長白工坊 有機えごま油 低温圧搾法一番搾り 110g
いいところ
- 圧搾法なので安心
- 有機栽培だから農薬がすくない
- 非遺伝子組み換えだから安全
- 遮光瓶なので酸化しにくくて体にいい
えごま発祥の中国で育ち、アメリカ、EU、日本の3カ国でオーガニックの認証を得た黒えごまを使っています。
ひとつの瓶の量は少なめですが、安全性の高さが特徴です。
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紅花食品 有機荏胡麻油170g
いいところ
- 圧搾法なので安心
- 有機栽培なので農薬がすくないから体に良い
- 遺伝子組み換えされていないので安全
- 遮光瓶なので酸化しずらい
中国産の有機えごまを100%使用していて、スーパーでも売っているので買いやすいえごま油です。
えごま油の中では値段がお手頃なので、よく紅花の有機荏胡麻油を買っています。
紅花 有機亜麻仁油 170g
いいところ
- 圧搾法&非遺伝子組みかえなので安心
- 有機栽培だから農薬が少なく病気予防にGOOD
- 遮光瓶なので酸化しにくい
ニュージーランド産のあまに油で、こちらも買いやすいお値段です。
オーガニックインカインチオイル180g
- 圧搾法&遺伝子組み換えされていないから安心
- 有機栽培しているから農薬が少なく安全
- 加熱調理OKだから調理が楽
- 遮光瓶で酸化防止対策もGOOD
サチャインチオイルの原料がさかんなペルーで収穫されているため、新鮮で品質がいいオイルです。
100%圧搾法で絞り取られたサチャインチオイルなので、安心して愛犬に食べさせることができます。
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犬とオメガ3オイルのQ&A
愛犬とオメガ3に関するよくある質問をまとめました。
参考資料
井上浩義(2016)『知識ゼロからの健康オイル』幻冬社.
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
M Blaskovicら(2014)『The effect of a spot-on formulation containing polyunsaturated fatty acids and essential oils on dogs with atopic dermatitis』Vet J.
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