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なぎ
7歳のチワワのモナの飼い主。
犬の管理栄養士/ペット栄養管理士/上級食育アドバイザー

自身の経験を活かし、企業様との手作りごはんやおやつのレシピ開発・作成から、商品を売りたい飼い主さんへのレシピ相談などに精を出している。

愛犬の毎日をもっとステキに!をモットーに当ブログ「チワワごはん」で情報発信中。
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犬の混合ワクチン打たなくていいの?賛否両論あるワクチンの必要性を調べてみた

混合ワクチンの目的に理解はできても、本当に愛犬にとってワクチン接種は必要なのかと感じている人も多いです。

たとえば、ワクチン接種後アレルギー反応を起こした愛犬をみて、副作用のリスクが大きいと不安になった方や、ワクチンを打つとぐったりする愛犬をみて心配になるが、獣医師のすすめで毎年接種しており心の中ではじつはモヤモヤしている人など。

獣医師によって「毎年打っておいた方がいい」「3年に1回の接種でいい」と意見がわかれているうえに、打つか打たないかの判断は飼い主に任されるため、愛犬のために最善の判断できているんだろうかと不安を感じている人も多いはず。

結論からお伝えすると「混合ワクチンは毎年打たなくてもいい。ペットショップから迎えた子犬や保護施設から迎えた成犬は接種の必要性が高い。」です。

この記事では、混合ワクチンの効果や副作用、接種率など「混合ワクチンの必要性に疑問を持っている人に役立つ情報」をまとめています。あなたと愛犬にとって納得のいく判断をするための材料としてお役立てください。

この記事の著者

  • ペット栄養管理士         
  • 犬の管理栄養士
  • 上級食育アドバイザー
  • 日本ペット栄養学会正会員
  • Bowls Fresh Dog Food 開発チーム
  • 手作りごはん歴7年
  • 食品衛生管理者
くわしいプロフィール

自身と暮らしているチワワがフードを食べなくなったことがきっかけで、手作りごはんに興味を持つ。
日々実感する手づくりご飯の魅力を伝えるべく、犬のごはん作りに関するブログ「チワワごはん」を開設。
ブログ運営の傍ら、犬の食事相談や栄養指導に励み、指導数は100匹以上にのぼる。
現在は、企業とのレシピ開発やコンサルにも力を注いでいる。
ブログ月間1.5万PV以上、インスタグラムのフォロワーは3.6万人ほど。著書「栄養満点なチワワごはんの作り方」

目次

混合ワクチンは毎年必要ない

混合ワクチンにはコアワクチンノンコアワクチンと呼ばれる2つの種類が存在し、ワクチンの種類によっては毎年打たなくてもよいということが2015年にわかりました。※1

予防する感染症5種(基本)6種8種種類予防期間
ジステンパーコア4年~
アデノウィルスコア4年~
パルボウィルス2型
↓同時に肝炎の予防も可能
コア4年~
犬伝染性肝炎コア3年~
パラインフルエンザノンコア1年
コロナウィルス
※新型コロナウイルスとは別
ノンコア1年
レプトスピラ(各種)ノンコア1年
私の愛犬が打っていたバンガードプラスとユーリカンの成分表とOmar Y Abdelmagid氏の研究結果※14を参考に作成しました

コアワクチンは、接種してから最低3年は感染症に対してつよい抵抗力(抗体)をもちます。※1

つまり、一度打つと3年間は感染症を予防できるということです。

ほとんどの愛犬が4,5年抗体をもち予防できるという実験結果もあり、なかには一度ワクチンを打っただけで一生抗体を持ち続ける犬もいるようです。※1※14

表の上位4つはコアワクチンのため、3年前に打っているのであれば抗体を持っている可能性が高く、毎年打つ必要はありません。

モナ

し、知らなかったモナ…

しかし、表の下3つノンコアワクチンという種類のワクチンは、感染予防できる期間が1年と短いです。だからといって毎年打つ必要もありません。

理由は、ノンコアワクチンが予防できる感染症は子犬やアクティブな犬のみで起きやすい感染症で、おうちでまったり派の成犬の感染リスクはかなり低いからです。実際に発症した子犬の特徴などをみていきましょう。

感染予防期間が短いノンコアワクチンの接種目安

ノンコアワクチン
(1年抗体をもつ)
発症リスクが高い場合
パラインフルエンザ免疫低下中の集団行動
ペットショップやブリーダーから迎えた子犬
→成犬の感染:重症化せず軽症で済みやすい
コロナウイルス
→子犬や成犬の感染:無症状の場合が多い※2
レプトスピラ(各種)水の多い場所での活動
ほとんどが沖縄での川遊びやレジャー活動した成犬※3
※コロナウイルスは無症状や軽症で済む場合が多いことやワクチンで予防できた科学的根拠がないことから、世界小動物獣医師会は、非推奨としています。

これら3つの感染症は感染しやすい時期や対象が限られているため、必要な年にのみ打つという考え方が推奨されています。※1

海や川に行かない成犬に毎年5種以上打っているという場合は、愛犬によけいな負担をかけているかもしれないので、獣医師さんといっしょにワクチンの内容を見直しを検討してみてもいいと思います。

\まとめ:コアワクチンは最低でも3年に1回。ノンコアワクチンは状況によって接種を/

ノンコアワクチン
必要な年のみ接種
コアワクチン
最低でも3年に1回でいい
  • パラインフルエンザ
  • コロナウィルス
  • レプストピラ(各種)
  • ジステンパー
  • アデノウィルス
  • パルボウィルス2型(犬伝染性肝炎)

さまざまな獣医師の研究のおかげで、最低でも3年に1度の接種でもよいということがわかりました。

3年に1回、自分のタイミングでよいということではなく、抗体をもっているか調べることが必要です。ワクチンを打たなくてよい抗体検査については後半で説明しています。

毎年混合ワクチンを打つとどうなるの?

確実な感染症予防ができる反面、アメリカの研究では混合ワクチンを打つほど副作用があらわれるリスクが約1~3倍増えたことがわかっています。※5

また、一度に多くの種類のワクチンを打った場合も同様に副作用があらわれる確率が高かったそうです。※5

愛犬の負担となる副作用をなるべく減らすためには、ワクチンの種類だけでなく接種する期間もきちんと考えてから決めた方が愛犬の健康にとって良いのではと感じました。

気になる混合ワクチンの副作用

ワクチンのおもな目的である感染症予防とはべつの作用がはたらいてしまうことを副作用といい、愛犬にとって好ましくない症状として出ることが多いです。

日本の場合、混合ワクチンを打った犬の1000頭に6頭の確率で副作用がみられます。アメリカでは1000頭に約3頭、イギリスでは1000頭に0頭以下※5と外国と比べても圧倒的な副作用発症率の高さです。

日本でよくみられる混合ワクチンによる副作用とアレルギー反応時の副作用などを見比べてみましょう。

よく見られるおもな症状

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 震え
  • 食欲の低下
  • 皮膚のかゆみ
  • 元気のなさ、ぐったりした様子

これらの症状が2~3日続き、それ以降は元気になることが多いです。副作用がみられたからといってあまり心配しなくても大丈夫です。

前回見られなかった副作用が見られた時や子犬のはじめての接種で様子見でよい副作用か見分けがつかない時は、ワクチン後にみられた副作用を獣医師に伝え、愛犬の様子を確認してもらいましょう。

アレルギー反応でよくみられる症状

  • 注射を打った場所や特定の部位をかゆがる
  • 陰部や肛門の腫れ
  • まぶたや鼻まわり、あごなど顔全体の腫れやむくみ(ムーンフェイスと呼ばれる)

混合ワクチンによるアレルギー反応は全身のかゆみではなく特定の場所に見られ、顔全体の腫れとして出ることが多いです。

命に関わることはありませんが、つねにかゆみや痛みを生じるため愛犬にとってストレスが強い状態です。顔がいつもと違うと気づいたら、なるべくはやく病院に連れて行きましょう。

顔が腫れると聞いただけで怖くなるアレルギー反応ですが、愛犬の体質によってはアナフィラキシーなどの大きな副作用がでてしまう場合もあります。

命に関わるアレルギー反応の1つ「アナフィラキシー」について

アナフィラキシーとは、体に入ったアレルギー原因物質に対して過剰に反応してしまうつよいアレルギー反応。

皮膚だけでなく臓器など全身にアレルギー反応がみられるため命に関わる場合が多いです。

アナフィラキシーのおもな症状

  • 下痢や嘔吐(血が混じる場合も)
  • じんましん
  • よだれをたらす
  • ハァハァ過剰な口呼吸
  • ぐったりとして起き上がれずフセのまま
  • チアノーゼ(ベロや歯茎が青紫になり血の気が引いた感じ)
  • おなかや手足が赤くなる

ワクチン接種後だいたいが5分、おそくても1時間以内に症状がみられることが多い※4ので、接種後5分は愛犬が吐いていないか、かゆがっていないかなど念入りに観察することが大切です。

心配な方は接種後5分は車の中や病院の近くで待機し、愛犬の様子をみておいた方が安心です。

アナフィラキシーは迅速な治療により回復することがほとんどですが、放置すると命の危険につながるため異変を感じたらすぐに獣医師のもとに連れていきましょう。

犬の混合ワクチンのアナフィラキシーの確率

日本の犬が混合ワクチンを接種してアナフィラキシーを発症する確率は0.1%(57,300頭のうち41頭)です。※4

約1400頭のうち1頭はアナフィラキシーを発症する計算となります。

狂犬病ワクチンでのアナフィラキシー発症率は0%以下のため、混合ワクチンの方がリスクが高いことがわかります。※6

犬のアナフィラキシーのおもな原因はワクチンの残留物「牛血清アルブミン(BSA)」です。

牛血清アルブミン(BSA)への対策済みワクチン(ビルバックやノビバック)を希望する事でより安心してワクチン接種ができます。※そのほかの添加物やゼラチンなどに反応し、アナフィラキシーがでてしまう場合もあります。

Q.混合ワクチンでの死亡率はどのくらい?

混合ワクチンを打った犬の総数がわからなかったので、調べられませんでした。
しかし、日本でワクチン接種後につよい副作用がみられた犬の約21%は亡くなっていることがわかりました。※7

接種後に様子がおかしいと病院へ戻った全991頭のうち214頭は亡くなり、2頭はまひなどの後遺症がのこり、775頭は回復したという報告がありました。

1993年から2022年5月までに農林水産省に獣医師や業者によって報告された各メーカーの混合ワクチンの副作用情報をもとに調べました。※7
※なかにはワクチン接種から数時間から数日たっている例もあるためワクチン接種が原因とは言い切れないものも含まれています。

私の愛犬が経験した副作用

  • 下痢
  • ブルブル震える
  • 元気がなくだるそう
  • 歩き方がぎこちなくとぼとぼ歩く
  • ごはんを食べず元気がない

子犬のころ、5種混合ワクチンを打った当日や翌日は震えや食欲のなさが目立ち、下痢をすることが多かったです。

背中に打った時は普通に歩いていましたが、おしりに打った時はとぼとぼとぎこちなく歩いていており、おしりへの注射は痛みを感じやすいのかもと思いました。

接種の翌日にはいつも通りに歩き、じょじょに元気を取り戻していきました。

成犬になり6種接種したときは元気や食欲がないという症状のみで、大きな副作用はみられませんでした。

モナ

注射のあとは元気が出ないモナ

混合ワクチンの効果

副作用だけをみると打たない方が良いのではと感じますが、混合ワクチンの効果は高く、症状の緩和や死亡率の低下など感染症対策に大きく役立っています。

犬の混合ワクチンの効果

たとえば、未接種では死亡率50%ほどあるジステンパーですが、ワクチン接種で死亡率が0%までさがります。※9

ジステンパー以外の感染症でも、接種していれば発症後も症状がかるく、愛犬の負担のかるい方法での治療が可能になります。

とくにペットショップから迎えたばかりの子犬や成犬は未接種であることや免疫力が下がっている場合が多く、感染症の影響を大きく受けやすいためその時期のワクチン接種は効果的です。

Q.実際にジステンパーなどに感染した犬はいるの?

日本で混合ワクチンで予防できる感染症にかかっているのは約2頭に1頭というデータ※10があります。

しかし、いまいち実感がわかなかったためどのような犬が感染してるのか調べてみると、アニコム保険に加盟している388,520頭の飼い主に行った調査をみつけました。

ペットショップから迎え30日以内に子犬が病院へ行った原因や病気を調べると、第1位が咳、2位が下痢や血便、3位がケンネルコフ(パラインフルエンザやアデノウイルスなどの病気が複雑化した感染症)にかかっていたそうです。

私の推測ですが、1位と2位が感染症の症状に非常に似ていることや犬全体の感染症率0.9%という低さ、感染症にかかった年齢で0歳がもっとも多いこと※15を参考にすると、生後7週までにワクチンを打っておらず、ペットショップで生活している子犬がワクチンで予防できる感染症にかかってしまった確率ではないかと考えています。

混合ワクチンの気になる接種率

「犬と猫の国別ワクチン接種率の現状」 伴侶動物ワクチン懇話会
出典:「犬と猫の国別ワクチン接種率の現状」 伴侶動物ワクチン懇話会

2015年の時点で日本に住む犬たちの混合ワクチン接種率は約25%と接種率が低いです。※10

2022年の接種率の調査は行われておらず、不明でした。

しかし、2021年に500人近くの飼い主さんが答えたワクチン接種のアンケートでは「混合ワクチンは打たず狂犬病だけ打つ」との声がもっとも多かった※11ことから、現在の混合ワクチン接種率も25%くらいなのではと考えています。

生の声を知りたい!と思い私がツイッターで行ったアンケートでは64%が接種をし、36%が打たないという結果になりました。ワクチン接種の投稿がよくみられることも含め、SNSをしている飼い主さんは接種する人が多いのかなという印象を受けました。

Twitter上のアンケートは人数が限られており期間も短いため、正確な数字ではありません。あくまでも参考程度にお読みください。

混合ワクチンを打たないとどうなるの

ワクチン未接種の場合、感染後の重症化や複雑化し、治療が長期化する可能性が高いです。

ウイルスだけでなく治療にも体力を使うため、免疫力が低くスタミナが少ない子犬にとってかなり負担がかかります。※12,※13

確実な治療法がないパルボウイルスやジステンパーなどに感染し重症化すると命の危険にまで関わるため、生後間もない子犬はとくにワクチン接種の有無をよく考えることが大切です。

そのほかにも、行動範囲やできることが限られるのもワクチン未接種のデメリットのひとつです。

たとえば、トリミングサロンやドッグラン、ドッグカフェなどの犬が集まる場所では感染症予防のためワクチンの接種証明書を求められることが一般的で、未接種の場合利用を断られる場合も多いです。

ワクチンの数や種類は少ない方が安心だけど、いろいろなところに一緒に行きたい。と思っている方は、ワクチン免除ができる抗体検査を検討するといいと思います。

混合ワクチンを打たなくて済む抗体検査とは

抗体検査とは、愛犬の血液をもとに混合ワクチンの効き目を調べる検査のことです。

抗体検査でワクチンが効いていることがわかれば、ワクチン接種の種類が減らせたり、ワクチン接種自体をパスすることができます。

また、抗体検査後にもらえる抗体検査証明書をみせることで利用できなかった施設が利用可能になるなど、愛犬との生活の幅を広げてくれる検査です。(なかには抗体検査証明書をみせても利用NGの場合もあります)

愛犬の負担となる副作用をへらしたい方や過去にワクチン接種で副作用がつよく出た愛犬の体が心配な方が利用しています。

モナ

ありがたいモナ

抗体検査の費用や検査できる病院

費用3種で5,500~10,000円ほど
なかには1種類5,000円という病院も
検査場所抗体検査を行っている動物病院
犬用ワクチチェック実施病院を探すから検索可
内容血液検査
結果がでるまで当日~2週間
追加接種の費用相場は2,000円~7,000円
わかることコアワクチンの効き目(ジステンパー、パルボ、アデノ)
追加接種が必要か

抗体検査では、危険度が高く3年以上抗体をもつ可能性のあるコアワクチンの3つの感染症の抗体(ワクチンの効き目)を調べます。

同じ検査でも費用や結果までの日数、検査後の流れなど病院よってかなりバラつきがあるため、しっかり調べてから検査をお願いした方が安心できます。

検査結果によっては結局6種混合ワクチンを接種する場合もあるため、愛犬に痛い思いをさせただけなのでは。と感じる方も多いです。

納得のいく抗体検査になるよう抗体検査後の流れを確認しておきましょう。

検査後、ワクチンを打たなくてもいい場合

スクロールできます
例1.抗体今年の接種来年の接種
ジステンパー
パルボウイルス2型
アデノウイルス
アリ

不要
来年の抗体検査結果で判断

3つの抗体を持っていた場合は、しっかりワクチンが効いている証拠です。

今年のワクチン接種は必要ありません。

普段、レプストピラを含めた混合ワクチンを接種しており上記のように3つの抗体があった場合、レプストピラのみの接種が可能です。


検査後、ワクチンを打つ場合

スクロールできます
例2抗体今年の接種接種内容来年の接種
ジステンパー
パルボウイルス2型
アデノウイルス
アリ
ナシ
アリ
追加接種3種混合ワクチン
or
5種以上の混合ワクチンの接種
来年の抗体検査結果で判断

3つのうちどちらか1つでも抗体がない場合は追加接種をする必要があります。

その場合、単品での接種はできない可能性が高いです。

抗体がないものを含み、種類がなるべく少ない3種混合ワクチン(ジステンパー、パルボ2型、アデノの3つ)を接種する病院もありますが、一般的には5~8種など病院が推奨している種類の混合ワクチンを接種することが多いです。

\まとめ:抗体検査結果次第でワクチンが不要に/

検査後ワクチンを打つ場合
検査後ワクチンを打たない場合
  • 3つのうち1つでも抗体ナシ
    →追加接種(3種or5種以上)
  • 単品での追加接種は×
  • 3つとも抗体アリ
    →来年再度検査
  • レプストピラのみ単品接種◎

抗体検査をすることで、ワクチン接種をしないのは心配だけど毎年打つのも気が進まないという飼い主さんでも安心してワクチン接種に向き合うことができます。

Q.抗体検査キットは売ってないの?

出典:犬用ワクチチェック パンフレット- 犬用ワクチチェックvaccicheck

ワクチチェックというキットがありますが、獣医師による購入が必要で一般販売は行われておりません。

モナ

病院イヤだからお家でできるようにして欲しいモナ

わたしが抗体検査を頼んで断られたときの病院の対応

「2年前に6種混合ワクチンを打ったが、まだ抗体があるのか調べてほしい」と電話で獣医師に相談すると、あまりうれしい反応ではありませんでした。

獣医師によると、

・ワクチン接種が2年前なら抗体が残っている可能性は0に近いから、検査代がもったいない。
・抗体検査時に注射をし、抗体がなかったとわかった時、もう一度注射をすることになる。犬にとって大変。
・抗体検査は、以前ワクチン接種後にアナフィラキシーやつよいアレルギー反応がでた犬のための検査。

とのこと。

私はあきらめず、「それでも検査の予約を入れたい」と伝えると、「もし抗体がなかった場合、検査後当日に打ってもらうことになりますけど大丈夫ですか?」と聞かれ、あまり話を聞いてくれなさそうと感じ断りました。

ほかの病院に問い合わせても同じような答えが返ってきました。

抗体検査を行っている病院はワクチンを打つことへの抵抗や不安に共感し、対策をいっしょに考えてくれると期待していたためとても残念に感じた。

調べてみると、抗体検査を行っている動物病院でも3年に1回派の獣医師と毎年接種派にわかれています。

抗体検査の問い合わせをする前に、公式サイトやブログ等で自分の考えに近い獣医師か見極めたうえで相談することで安心してワクチンと付き合えると感じました。

モナ

十人十色モナね

混合ワクチンについて気になる質問

混合ワクチンについてよくある質問をまとめました。記事で解決できなかったことや疑問点がある方はごらんください。

Q.高齢犬は何歳まで打たせたらいいの?

何歳からは接種しなくてよいという決まりはないため、高齢になっても可能であれば接種を続けることが望ましいようです。

獣医師の考えによって打たなくてもよい場合があるので、シニア期(8~10歳くらい)に入った時に聞いてみるとよいと思います。

高齢犬の病歴や体質によって免除となる場合があるので↓の質問もご活用ください。

Q.混合ワクチンを免除できるって聞いたけど本当?

高齢で病気とたたかっている場合やワクチン接種後にアレルギー反応がでた場合は免除できる可能性が高いです。
たとえば、心臓病や腎臓病、肝臓病、血液疾患などは免除の対象になりやすいです。

年齢にかかわらず、過去に接種後のムーンフェイス(まぶたや鼻まわりが腫れる)、じんましん、けいれんなどの症状が出た場合も免除となりやすいです。

免除となると「混合ワクチン猶予証明書」がもらえ、負担を減らせるだけでなく提示する事で利用可能な施設が増えます。
あてはまる方は獣医師に相談してみましょう。

Q.結局、混合ワクチンって打ってなくてもいいの?

任意のため、打つ打たないは飼い主さんの自由になります。
メリットや副作用を比較し、愛犬の体質や年齢によって判断することが必要だと感じています。

Q.抗体検査と抗体価検査のちがいは?

違いはありません。
抗体価(抗体の数値)を調べるのが抗体検査のため、どちらでも正解です。

Q.単品での接種はできるの?たとえば、パルボだけ接種など。

できない場合が多いです。
単品ワクチンは日本ではあまり流通していないことから、最低でも2~3種のワクチン接種をすすめられることが多いです。

Q.子犬のワクチンの回数やスケジュールについて教えてほしい

別の記事でくわしく解説していますのでそちらをご覧ください。

>>飼い主歴7年の私が子犬のワクチンに必要な情報をまとめてみた

Q.狂犬病も3年に一回でいいの?

狂犬病は年に一回接種が法律により義務付けられているため、混合ワクチンのように融通は利きません。
真偽はまだ調べていませんが、海外は2年に1回でよいとの情報も目にしました。
狂犬病ワクチンに関する記事も作成中です。少々お待ちください。

Q.副作用が起きやすい犬の特徴とかってある?

副作用があらわれた犬には、共通して以下のような特徴がみられました。

  • 5kg以下の犬※8
  • 避妊去勢手術を行った犬※8
  • 一度に複数の種類の混合ワクチンを打つ犬※8
  • 日本ではミニチュアダックスフント、チワワ、ミニチュアシュナウザーにつよく出ることが多い※4
  • 牛肉アレルギーの犬

これらの特徴に体質や生活環境などが絡み副作用があらわれるため、当てはまるからといって副作用が必ずでるわけではありません。参考程度にお読みください。

愛犬が牛肉アレルギーの場合、混合ワクチンの成分につよく反応しアナフィラキシーを起こすことがあるため、獣医師に伝えアドバイスを聞いてから接種を決めた方が安心です。

Q.ジステンパーやアデノウイルスの感染源って?

ジステンパーやアデノウイルス、犬伝染性肝炎、パルボウイルス2型は、感染した犬のうんちやおしっこのにおいを嗅いだり口にしたり、咳やくしゃみなどの飛沫によりうつることが多いです。

私が調べた限りでは、おもにペットショップや保護施設などでよくみられる感染症で、一般的な家庭での発症はみかけませんでした。

さいごに:私はこれからも打たないかもしれない

私の愛犬の混合ワクチン歴は、子犬のころから1歳になるまで混合ワクチンを4回打ち、沖縄へ引っ越した5歳のタイミングで6種を打ちました。(狂犬病は毎年打っています。)

獣医師からは「1歳をすぎたら毎年打つように」と言われていたのですが、健康のために毎年注射という考えにあまり納得がいかず、打たせていませんでした。現在7歳ですが感染症はもちろん病気にかかったことはなく、元気に過ごしています。

今回、混合ワクチンのことを調べてみて、1.7kgと超小型犬であまり犬が大勢あつまる場所に行かない愛犬にとってメリットよりもリスクが多く感じ、正直、打たせたくないという気持ちが大きくなりました。

混合ワクチンの目的は感染症の予防なので、私はワクチンではなく、食事や運動などで免疫力をあげて感染症を予防する方が愛犬と私にとって良いのではと感じています。

獣医師に抗体検査をかるく反対されたことがきっかけで、混合ワクチンの記事を書こうと思いました。この記事がワクチン接種にモヤモヤしている人のなにかのきっかけになれればうれしく思います。

この記事を書くにあたりとても参考になった資料です。

世界小動物獣医師会 犬と猫のワクチネーションガイドライン ※1

博多犬猫医療センター 犬コロナワクチンについて ※2

監視伝染病の発生状況:農林水産省 ※3

(2012)宮地一樹ら 日本における犬の狂犬病以外の混合ワクチンに対する副作用の大規模調査 ※4

(2012)Monika Lingら Risk factors for death from canine parvoviral-related disease in Australia ※5

(2021)吉田めぐみら 日本における犬の狂犬病ワクチン接種後のアナフィラキシー ※6

農林水産省 動物医薬品検査/生物学的製剤名検索副作用報告掲載一覧 ※7

(2021)Ian R. Tizardら Adverse consequences of vaccination ※8

(2020)David Sら Canine Distemper ※9

(2015)伴侶動物ワクチン懇話会 10

(2021)INUNAVI 副作用があった犬は◯%!知っているようで知らないワクチン事情を徹底調査【犬の飼い主476人アンケート】 ※11

(2021)Allison Andrukonisら Intake Vaccinations Reduced Signs of Canine Respiratory Disease During an Outbreak at an Animal Shelter ※12

(2009)勢籏 剛ら 国内における犬呼吸器感染症の病原学的調査 ※13

(2004)Omar Y Abdelmagidら Evaluation of the efficacy and duration of immunity of a canine combination vaccine against virulent parvovirus, infectious canine hepatitis virus, and distemper virus experimental challenges ※14

アニコム損保 どうぶつの疾患統計 ※15

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