この記事では、愛犬に与えてはいけない食材と、実際にあげてしまった時の症状や病院に行った方がいい時の見分け方などを解説しています。
ネットでは賛否両論のある牛乳やぶどう、アボカドなど気になる食材をあげてもいいのか、与えたときの私の経験談なども載せています。
- ほうれん草って犬にあげて大丈夫なんだっけ?
- ぶどうはあげてもいいっていう記事と、あげちゃいけないっていう記事があって、どうしたらいいかわからない。
- 犬にあげてもいい食材とダメな食材がわからなくて、「小松菜 犬」と毎回調べている。
と、普段のトッピングやおやつなどの食材選びで悩んでいる方も必見です。
この記事の著者
- ペット栄養管理士
- 犬の管理栄養士
- 上級食育アドバイザー
- 日本ペット栄養学会正会員
- Bowls Fresh Dog Food 開発チーム
- 手作りごはん歴7年
- 食品衛生管理者
くわしいプロフィール
自身と暮らしているチワワがフードを食べなくなったことがきっかけで、手作りごはんに興味を持つ。
日々実感する手づくりご飯の魅力を伝えるべく、犬のごはん作りに関するブログ「チワワごはん」を開設。
ブログ運営の傍ら、犬の食事相談や栄養指導に励み、指導数は100匹以上にのぼる。
現在は、企業とのレシピ開発やコンサルにも力を注いでいる。
ブログ月間1.5万PV以上、インスタグラムのフォロワーは3.6万人ほど。著書「栄養満点なチワワごはんの作り方」
犬の手作り食に使っちゃいけない食べ物
- アルコール(料理酒もNG)
- 加熱があまい鳥の骨
- キシリトール・香辛料(とうがらし、こしょうなど)
- チョコレートやコーヒー
- トマトやなすのへた、じゃがいもの芽
- ネギ類
愛犬が大量に食べた時にリスクがある(体質や個体差あり)ことがわかっている食材なので、ごはんに使わないようにしましょう。
これ以外の食べものは、すべて与えて大丈夫です。
NG食材でなければ大丈夫!
今日から、これは犬にあげていいのかな?ではなく、この6つを避けたら大丈夫、という考え方に切り替えましょう。
NG食材以外はOKなので、牡蠣やウニ、いくらなどの海産物からパスタ、フルーツ、ナッツ、そば、うどんなど、いろいろな食べものを一緒に食べることができます。
NG食材でなければOKというルールで5年ほど過ごしていますが、このような食事が原因で愛犬が体調を崩したことはありません。
これからはもっと、愛犬といろいろな食事をいっしょに楽しみましょう^^
間違ってあげてしまっても少しなら大丈夫
もし間違って6つの食材を食べてしまったとしても、大量でなければ大丈夫なことが多いです。
じつは、
・火でアルコールを飛ばしたワイン、料理酒
・加熱した鳥の骨
・こしょう
・ブラックペッパー
・チョコレート
・ネギ類(ニンニクや玉ねぎ、青ネギ)
これらを間違えてあげてしまったことがあります。
気づいた時は背筋がヒヤッとしましたが、意外と愛犬は何事もありませんでした。(ネギやニンニクたっぷりの雑炊や親子丼、こしょうで味付けしたとり肉、煮込んだ手羽先の骨など。)
鳥の骨を食べてしまった時のみ血便とおなかのキュルキュルがみられましたが、本人はケロッとしていました。
私がごはんを作りはじめたばかりの頃は、1ミリでも食べてしまったら毒!と覚えていたのですが、少しなら大丈夫。もっと楽に構えていい。ということが5年目にしてわかりました。
気になるあの食材は?
ネットでひんぱんに登場する、愛犬にあげてはいけないといわれている食材について解説します。
データ的にというよりも、私が実際にあげてみてわかったことやほかの飼い主さんから聞いた話を中心にお話しています。
これらの食べ物をあげるのが心配な方は無理してあげる必要はありません。
「この人は愛犬にあげてるけど、あげても大丈夫なんだ…」と参考程度にお読みください。
犬×ぶどう、レーズン
犬がぶどうやレーズン食べると肝臓に負担をかけるという研究報告がありますが、”大量に”のため、飼い主がたまにあげるデザートとしてのぶどうでは肝臓にダメージを与えるとは言えないのでは?と思っています。
私はいままで、愛犬に何度もぶどうやレーズンをあげていますが、体調が悪くなったり、肝臓が悪いと言われたことがないからです。
ただ、無理してあげる必要もありません。
抵抗のある飼い主さんはあげなくても大丈夫です。
犬×いちご
いちごの中には、犬にダメなキシリトールが含まれてるって聞いたから、あげていいのかわからなくて…という質問をよくいだたきます。
いちごのキシリトール量は1粒だいたい4mgです。
体重3kgほどの小型犬のキシリトールの致死量は約7000mgです。
いちごのキシリトールで体調を壊すことはほぼないため、あげて大丈夫です。
犬×鳥の骨
手作りごはんを勧めている獣医師、須崎先生によると、鳥の骨で病院にくる犬よりも、焼きとりの串が喉に刺さって救急でくる犬の方が多いそうです。
この話は獣医師さんの中でよくある話のようで、ペット栄養管理士のセミナーでも数名の獣医師さんが「鳥の骨よりも焼き鳥の串に気をつけて欲しい」と話していました。
加熱があまい鳥の骨をたくさんあげると血便やおなかのキュルキュルなど、いいことは起きなかったのであげない方がいいとは思いますが、それよりも身近に危険なものもあると覚えておきましょう。
犬×カレー
私の愛犬はカレーを食べたことはないので他の飼い主さんから聞いた話になりますが、手作りごはんをしている人が集まるセミナーの中で、愛犬がカレーを食べてしまった。という話をしている飼い主さんがいました。
その方によると、
大型犬がカレーをお鍋ごと(5人前くらい)を全部食べてしまいビックリしたけど、翌日も元気だったから、意外と犬の体って丈夫なのかも…?という話をされていました。
それ、うちでもありました!とほかの飼い主さんも話していて、驚きました。
大型犬がカレーを平らげるのはあるあるのようです。
犬×牛乳
私も以前まで、犬に牛乳はおなかを壊すからよくない。と聞いていたためあげていませんでした。
ですが、最近から積極的に牛乳をあげるようにしています。
長生きをした犬の食生活を調査した論文で、牛乳を毎日飲ませていたと答えた飼い主さんが多かったからです。(参考:愛犬を長生きさせる方法を調べてみた!-長生きする犬の特徴-)
まだまだ7歳ですが、もうすこし早く知っておきたかった、、と思いました。
はじめて牛乳をあげる時は2倍量の水でわって、薄めた牛乳からはじめましょう。
犬×人間用に味付けされた食品
基本的にNG食材以外で味の濃くないものを少量ならOK。というルールにしているので、あられやカステラ、クッキー、食パン、ドーナツ、ピザの耳、フライドポテトなど、私や家族が食べる時は一口サイズに分けたものをお裾分けして一緒に食べています。
家族の誕生日では、ケンタッキーの衣を剥がしたフライドチキンやケーキを少し切り分けて、みんなと一緒に食べる時もあります。
私たちがたまにラーメンが食べたくなったり、ファストフードを食べたくなるように、愛犬もたまには変わったものが食べたい時があり、心の栄養になると思っているのであげています。
体にいいかと聞かれるとウッとなる部分もあるので載せようか迷いましたが、愛犬といっしょにこんなに食べられるものがあるんだ!と、より気楽にごはん作りがやりやすくなるのではと思い載せました。
誕生日が待ち遠しいモナ
愛犬に与えてはいけない食べものは意外と少ないです。
ほとんどの食材をあげてもOKですが、まだ不安が残っていると思います。
その不安を解消するために、手作りごはんに使ってもいい食材をチェックしましょう!
参考文献
阿部又信(2008)『動物看護学全書 第8巻 [改訂3版]動物看護ための小動物栄養学』日本小動物獣医師会 動物看護師委員会監修,ファームプレス社.
須崎恭彦(2009)『愛犬のための がんが逃げていく食事と生活』講談社.
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