手作りごはんは調理方法によって愛犬の負担となる事があります。たとえば、食材を大きく切りすぎてしまい、飲み込むときに気管に負担をかけてしまったり、消化に負担がかかってしまったりなどです。
この記事では、手づくりごはんを始める方に向けて、調理過程で気をつけることをまとめています。
思わぬ体調不良を招かないように、ごはん作りに取り掛かる前に注意点をチェックしておきましょう。
この記事の著者
- ペット栄養管理士
- 犬の管理栄養士
- 上級食育アドバイザー
- 日本ペット栄養学会正会員
- Bowls Fresh Dog Food 開発チーム
- 手作りごはん歴7年
- 食品衛生管理者
くわしいプロフィール
自身と暮らしているチワワがフードを食べなくなったことがきっかけで、手作りごはんに興味を持つ。
日々実感する手づくりご飯の魅力を伝えるべく、犬のごはん作りに関するブログ「チワワごはん」を開設。
ブログ運営の傍ら、犬の食事相談や栄養指導に励み、指導数は100匹以上にのぼる。
現在は、企業とのレシピ開発やコンサルにも力を注いでいる。
ブログ月間1.5万PV以上、インスタグラムのフォロワーは3.6万人ほど。著書「栄養満点なチワワごはんの作り方」
手作りごはんの注意点5つ
- お魚の骨はとりのぞこう
- お肉の脂身はあげすぎないようにしよう
- 犬の口のサイズにあった切り方をしよう
- 貝は火を通そう
- 毎日、ずっと同じ食べ物は控えよう
手作りご飯の調理過程で注意すべき点をまとめました。一つずつ注意すべき原因を理解することで、安全にごはんを作ることができます。
お魚の骨はとりのぞこう
お魚を使う時は、骨がないかしっかり確認してから愛犬にあげましょう。
小さい骨があっても気づかずに食べてしまい、飲み込んだ時に喉がカッとなり、お魚をキライになってしまうことがあります。
私は自分用にお魚を味付けせずに焼いてから、愛犬用にとりわけます。
お魚は火が通った後の方が骨がとりやすいので、ある程度冷まして、指で身をほぐしながら小さな骨をとっています。
お肉の脂身はあげすぎないようにしよう
愛犬にとって多すぎるお肉の脂は胃腸に負担がかかり、おなかを壊す原因になるため、なるべく取り除きましょう。
これらの脂身は、とくに愛犬がおなかを壊すことが多かったです。
・手羽先や手羽元の皮
・とりのもも肉や胸肉の皮
・豚バラ肉の白い部分
・牛肉の白い脂身
体の小さいチワワなどの小型犬は、少ない脂身の量でもおなかに影響がでやすいため、とくに気をつけましょう。
脂身が多かった場合にでる症状
・おなかがキュルキュルなる
・下痢気味
・食欲がない
・ずっと震えている
脂身が多いときにおなかを壊している場合は、いつものキュルキュル音よりも、大きな音でなります。
いつもより大きい音にビックリして、脂身ではなく、病気なんじゃないか。と心配になるかもしれませんが、翌日には治っていることが多いので、病院には連れて行かなくて大丈夫です。
その日のごはんは、お水だけか、おかゆなどのおなかに優しいごはんをあげましょう。
食欲がない場合は無理してあげなくても大丈夫です。
数日後すぐに脂身をあげると胃腸が疲れてしまうので、1週間ほど日にちをあけて、量を減らして挑戦しましょう。
脂身はシニア期や体力作りに役立つ!
愛犬の様子をみながら、体重1kgにつき2g/1食くらいの脂身や皮を上手に取り入れてみてください。
シニアに入り食欲がなくて困っているときや、病気やお薬の影響で体重が減ってきて、抵抗力をつけたい時などは、月に2~3回ほどお肉の脂身を使ったごはんをあげると、おいしく体力作りができます。
犬の口のサイズに合った切り方にしよう
犬はあまり噛まずに飲み込むので、口のサイズに合った大きさに切ることが大切です。
大きすぎる食べものは飲み込めずに気管に引っ掛かる事があり、気管に負担をかけるだけでなく、飲み込みにくかった食べ物へ不信感を抱いてしまうこともあります。
体格が小さい犬は気管が狭いため、なるべく小さく切るかみじん切りすると、スムーズに飲み込めるごはんをつくれます。
特に注意したい食材
とくにえのきやわかめは、みじん切りをしたと思っていても、きちんと切れずにつながっている事が多いです。
気管が狭いチワワやトイプードルなどの小型犬はとくに引っ掛かりやすいため、愛犬の負担を減らし、安全にごはんをあげるためにも、キノコ類や海藻類を切る際は注意して切るよう意識しましょう。
貝やタコなどの噛みにくい魚介類は火を通そう
貝やタコは生でも食べられますが、生のままだと消化に悪く噛みにくいので、火を通してから与えましょう。
たこは薄切りにして湯通ししたり、いかやあわびはみじん切りにして工夫すると食べやすくなります。
毎日、ずっと同じ食べ物は控えよう
ずっと同じ食べものを食べると、同じ栄養素しかとれないために栄養バランスが崩れやすくなります。
あまりよくない例
- 1ヶ月間毎食ささみ
- 半年間、毎日牛ひき肉
- 使う野菜は大体パターンが決まっていて変えてない
といった、極端に偏った食事は作らないようにしましょう。
バランスのいい例
- 最近お肉をあげていることが多いから、明日は魚にしよう
- きのこ枠の定番がしめじになってる気がするから、今日はえのきにしよう
- 鶏もも肉ばかりだったから、今日はささみにしよう
お肉やお魚は部位を変えるだけでも含んでいる栄養素が違ったりするので、部位を変えたり種類を変えたりと工夫してバランスをとりましょう。
昨日のごはんと1ミリも被らないように。と難しく考えずに、最近お肉ばっかり食べてるな、と感じたらお魚を使ったごはんをつくる。くらいの感覚でOKです^^
いろいろな食材をまんべんなく使うことが栄養満点なごはんを作るコツです。
注意点を読み終えたら?
次回は、基本をおさえた栄養満点な手作りごはんの作り方を学んでいきましょう!
栄養かぁ
ここから難しくなるんだろうな。
と思うかもしれませんが、この先も難しいことは何一つありません。
このままの流れで、記事を読んでみましょう!
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