我が家の愛犬に発酵食品をあげたい!
犬には、どんな発酵食品ならあげていんだろう?おすすめは?
あんまり高いサプリとかじゃなくて、スーパーでも買えるものがいいなぁ。
と思っているあなたのお悩みを解決します。
あなたがこの記事を読むとわかること
- スーパーで買える発酵食品
- 発酵食品をあたえる量と頻度
- 発酵食品がもたらす効果
- 発酵食品のえらびかた
- 番外編:野菜とお水と塩で作る発酵野菜
私の愛犬は、毎日作りごはんを食べています。
食事にも気を使っているし、きっと腸内環境もいいはず。と思っていたのですが、おならがクサイ…。
バランスの良い食事でも、発酵食品を意識してあげないと、腸内環境はよくならないんだな。と気付きました。
愛犬に発酵食品をあげて、腸内環境をよくしたいけど、どれをあげたらいいの?と悩んでいるあなたが、発酵食品のえらびかたまでわかるようになるので、ぜひ目を通してみてください!^^
この記事の著者
- ペット栄養管理士
- 犬の管理栄養士
- 上級食育アドバイザー
- 日本ペット栄養学会正会員
- Bowls Fresh Dog Food 開発チーム
- 手作りごはん歴7年
- 食品衛生管理者
くわしいプロフィール
自身と暮らしているチワワがフードを食べなくなったことがきっかけで、手作りごはんに興味を持つ。
日々実感する手づくりご飯の魅力を伝えるべく、犬のごはん作りに関するブログ「チワワごはん」を開設。
ブログ運営の傍ら、犬の食事相談や栄養指導に励み、指導数は100匹以上にのぼる。
現在は、企業とのレシピ開発やコンサルにも力を注いでいる。
ブログ月間1.5万PV以上、インスタグラムのフォロワーは3.6万人ほど。著書「栄養満点なチワワごはんの作り方」
愛犬に発酵食品をあげて腸から元気に!スーパーで買えるおすすめ食材
- 納豆
- ヨーグルト
- みそ
- ナチュラルチーズ
- 麹
これら5つの発酵食品は、味付けされていないものであれば、犬にあたえても大丈夫です。
愛犬に発酵食品をあたえる量や頻度
手作りごはんをしている方は、量と頻度はお好みで大丈夫です。
ドッグフードをあげていて、普段、発酵食品をあげていない方は、週に2〜3回を目安に与えましょう。
量はトッピングするくらいの感覚でOKです。
もうすこしくわしく、それぞれの発酵食品についてみていきましょう。
愛犬が食べられる発酵食品1:納豆
納豆には、たくさんの乳酸菌と枯草菌や納豆菌が多く含まれており、腸内環境をととのえてくれます。
納豆のスゴイところは、納豆菌です。
愛犬の強い胃酸(ph10)で死なないため、腸までかくじつに届くという犬にピッタリな発酵食品です。
ウィルスや菌とたたかう力もあるので、愛犬の感染症予防にもやくだちます。
愛犬にはどのくらいの量の納豆あげたらいい?
私は1.6kgのチワワに20gほどあげています。
頻度は、1週間に2回ほどがいいでしょう。
↓くわしい1日の納豆の量や、納豆に豊富な栄養素などを解説しています。
犬にはどんな納豆をえらんだらいいの?
ひきわり納豆はビタミンKやビタミンB6などのビタミンが豊富で、おなかにやさしいです。
胃腸が弱い犬や、抗生物質などのおくすりを飲んでいる犬は、ひきわりをえらびましょう。
普通の納豆は、カルシウムや鉄などのミネラルが豊富です。
普段、レバーや玄米などをあげられていない場合は、普通の納豆を買うとミネラルが補給できます。
犬が食べられる発酵食品2:無糖ヨーグルト
ヨーグルトに含まれているビフィズス菌は、犬の胃で死なずに、生きたまま腸まで届き、腸内環境をととのえてくれます。
ヨーグルトは、発酵食品のなかでも比較的あげやすく、おやつやご褒美としても与えることができるので、楽しく腸内をキレイにすることができます。
加糖タイプやフルーツジュレがのったヨーグルトではなく、無糖ヨーグルトをえらびましょう。
犬にはどのくらいの量のヨーグルトをあげたらいい?
私はトッピングするくらいの量をあげています。
頻度は1ヶ月に4〜5回、冷蔵庫にたくさんあるときは週に3回ほどあげています。
手作りごはんをしているのか、ドッグフードをあげているのかで量と頻度は変わってきます。
↓くわしいヨーグルトの量の決め方やあげかたを解説しています。
犬にはどんなヨーグルトを選んだらいいの?
ヨーグルトを買う時には、犬の胃酸に強い”ビフィドバクテリウム・ロンガム”というビフィズス菌が含まれているものがおすすめです。
ビフィドバクテリウム・ロンガムは、犬の胃酸でも死なないため、効率よく腸内環境をととのえることができる、犬にぴったりなビフィズス菌です。
↓ビフィドバクテリウム・ロンガムが含まれているヨーグルトを商品名といっしょに公開しています。
犬が食べられる発酵食品3:みそ
意外と、みそも犬に与えても大丈夫な食材です。
塩分つよいんじゃないの?とりすぎにならない?と思うかもしれませんが、味噌には1g中0.049のナトリウムが含まれています。(米みそ・淡色辛みそ)
ドッグフードの約5分の1以下のナトリウム量なので、そこまで心配しなくても大丈夫です。(NRCの1kgのイヌの栄養要求量参考)
犬にはどのくらいの量のみそをあげたらいい?
おじやに1〜2gほど。
頻度は、1ヶ月に1回くらいあげています。
ドッグフードをあげている方は1gほどを週に1回、お湯にとかしてあげましょう。
愛犬が野菜好きであれば、生の野菜にみそをつけて与えても大丈夫です。
犬にはどんなみそを選んだらいいの?
大豆やお米、麹、塩のみでできたみそを選んだ方が、体にやさしいです。
私は、ひかり味噌の無添加円熟を買っています。
遺伝子組み換えされていない日本産有機大豆と日本産のお米、天日塩だけで作られているので、安心して愛犬のごはんにも使っています。
愛犬が食べられる発酵食品4:ナチュラルチーズ
犬にチーズを食べさせた研究では、腸内でビフィズス菌などの善玉菌(腸でいいはたらきをする菌)を増やし、悪玉菌を減らしたことがわかっています。
また、酢酸やプロピオン酸吉草酸、インドールなどの菌が増えるため、肥満予防・対策や高血圧予防をしながら腸内環境をととのえることができます。
おいしいチーズで下痢の改善やうんちの臭いが軽減されるので、愛犬もあなたも取り入れやすいですね。
愛犬にはどのくらいの量のチーズをあげたらいい?
私はトッピングするくらいの量を、週に1回あげています。
とくに、愛犬の食欲がないときや、苦手な野菜をつかったときに、トッピングとして使っています。
ドッグフードをあげている方も、同じくらいの量と頻度で大丈夫です。
愛犬にはどんなチーズを選んだらいいの?
ナチュラルチーズをえらぶようにしましょう。
理由は、塩分と添加物がすくないからです。
プロセスチーズは、塩が多く含まれており、わたしたちが美味しい!!と感じる商品が多いです。
たとえば、さけるちーずや6Pチーズなどです。
スーパーで買えるナチュラルチーズは、クラフトのパルメザンチーズがおすすめです。
原材料が生乳と塩だけなので、愛犬にも安心してあげられる上に、使いやすいです。
愛犬が食べられる発酵食品5:麹
麹(こうじ)は、発酵させることで、腸内環境をととのえる麹菌が発生します。
犬に必要な必須アミノ酸10種をすべて含んでいる、かなり栄養価の高い食材です。
栄養素を補給しながら、腸内環境もよくしてくれる優秀な発酵食品です。
麹はお肉と同じくらいの栄養素(アミノ酸)を含んでいるよ
麹のつかいかた:甘酒に
麹を発酵させたアルコール0の甘酒をつくって、愛犬といっしょに飲むと、家族みんなで腸をキレイにできます。ヨーグルトメーカーでかんたんに作れるため、手軽に腸内環境を整えながら栄養補給が行えます。
犬にはどのくらいの量の麹をあげたらいい?
あまり決まりはありませんが、結構カロリーが高いので、あげすぎには注意しましょう。
量はスプーン1杯ほどにしましょう。
愛犬にはどんな麹を選んだらいいの?
私は、みやこ麹を使っています。
もっと栄養たくさんあげたい!と考えている方は、玄米麹や発芽玄米麹がおすすめです。
番外編:野菜とお水、塩で作る発酵野菜
野菜とお水、塩だけでつくれる、手作り発酵食品です。
ヘルシーで、かんたん、余計なものはいらないので食材とビンがあれば、誰でもできます。
作り方はキャベツのお漬物”ザワークラウト”ににていて、お水と野菜類を塩水に1週間ほど漬けておくだけです。
くわしいレシピは、俵森朋子さん著「犬ごはんの教科書」という本に載っています。
気になる方はチェックしてみてください^^
参考文献
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