カルシウムは、骨をつくるというイメージがありますが、実は血液や細胞にも深くかかわりのあるミネラルです。
乳製品や小魚などに多くふくまれていて、ごはんの内容によっては不足しやすくなることがあります。
今回は、カルシウムの働きや、カルシウムを摂りすぎるとストルバイト尿結石になるのか、不足しやすい犬の特徴、カルシウムが豊富な食材を解説します。
スーパーで買えるオススメの乳製品も紹介しますので、気になる方はみてみてください。
この記事の著者
- ペット栄養管理士
- 犬の管理栄養士
- 上級食育アドバイザー
- 日本ペット栄養学会正会員
- 手作りごはん歴6年
- 食品衛生管理者
くわしいプロフィール
愛犬のチワワ、モナがフードを食べなくなった事がきっかけで手作りにごはんに出会う。自身の経験を活かし、企業や個人からの依頼をもとに手作りごはんやおやつのレシピ開発・提供、栄養管理アドバイスなどに励んでいる。飼い主さんからの食事相談件数は100以上にものぼる。
カルシウムの働き
カルシウムは、おもに犬の骨や歯をつくります。
血液の中にも存在していて、脳や細胞、筋肉がうまくはたらくように、体中に重要な情報を伝えます。
カルシウムが足りていないとじゅうぶんに情報が行き渡らないため、いらついたり、ぼーっとしたりすることがあります。
お肉やお魚をたくさん食べている犬や、神経質でいらいらしやすい犬は、カルシウムが不足しやすいので、積極的にとるようにしましょう。
カルシウムを摂りすぎるとストルバイト尿結石になる?
カルシウムを摂りすぎたからといって、ストルバイト尿結石になることはありません。
尿結石のひとつであるストルバイト尿結石は、感染症により発症する尿結石です。
ストルバイト尿結石は、おしっこを分解する菌によって、おしっこの通り道が感染することで引き起こします。
カルシウムが不足すると
犬はあまりカルシウム不足にはなりません。
手作りごはんの場合でも、ドッグフードの場合も同じです。
長い期間、少ないカルシウム食をしていた場合、思考力の低下や、いらいらしやすくなり、骨や歯がもろくなって、けいれんを起こすこともあります。
また、くる病、運動や歩行障害など、骨粗しょう症を引き起こします。
カルシウムを摂りすぎると
過剰に摂りすぎると、カルシウム中毒になることがあります。
とくに妊娠中の母犬にみられることが多く、けいれんを起こし意識を失う症状を引き起こすことがあります。
カルシウムが多い食べ物
干しえび、煮干し、乾燥バジル、乾燥パセリ、ナチュラルチーズ、ごま、粉末ケールなど。
おすすめは、乳製品からカルシウムをとることです。
吸収率が高いため、効率よくカルシウムを体内にとりいれることができるからです。市販の粉チーズは使いやすく、保存もきくのでおすすめです。
参考文献
阿部又信(2008)『動物看護学全書 第8巻 [改訂3版]動物看護のための小動物栄養学』日本小動物獣医師会 動物看護士委員会監修 ファームプレス社.
中屋豊(2009)『図解入門 よくわかる栄養学の基本としくみ』秀和システム社.
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
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