手作りごはんにすると、食べているものの加工率の低さや水分量の多さなどから、うんちが変化していきます。
ドッグフードをあげていたころと大きく変わるので、手作りごはんをしたてのころのうんちをみて、不安になる方が多いはず。
たとえば、色が茶色っぽく、柔らかいうんちや、食べものがそのまま残っているうんちなど。
この記事では、手作りごはんにしてから変わったうんちの変化や体調が悪いときのうんちと健康的なうんちのみわけかたなどを実際の写真を使ってまとめています。
手作りごはんをはじめたばかりの方が、うんちをみて変化も…と体調を心配している方の安心材料になればうれしく思います。
この記事の著者
- ペット栄養管理士
- 犬の管理栄養士
- 上級食育アドバイザー
- 日本ペット栄養学会正会員
- Bowls Fresh Dog Food 開発チーム
- 手作りごはん歴7年
- 食品衛生管理者
くわしいプロフィール
自身と暮らしているチワワがフードを食べなくなったことがきっかけで、手作りごはんに興味を持つ。
日々実感する手づくりご飯の魅力を伝えるべく、犬のごはん作りに関するブログ「チワワごはん」を開設。
ブログ運営の傍ら、犬の食事相談や栄養指導に励み、指導数は100匹以上にのぼる。
現在は、企業とのレシピ開発やコンサルにも力を注いでいる。
ブログ月間1.5万PV以上、インスタグラムのフォロワーは3.6万人ほど。著書「栄養満点なチワワごはんの作り方」
犬の手作りごはんにしてみられたうんちの変化
- コロコロからバナナの形になった
- 水分を含んだやわらかさ
- 1日1回大きいうんちをするようになった
- 食べものがそのまま出てくるうんちをするようになった
- ニオイがキツくなくなった
手作りごはんを食べるようになった愛犬のうんちの変化をまとめました。
変化が多いため、はじめは不安に感じる方が多いと思いますが、体のなかではよい変化が起きていることがうんちに現れているため、心配しなくても大丈夫です。
体のなかでどのような変化が起きているのかも各項目に載せています。
実際にどのような形をしているのかを目で理解するためにも、それぞれの変化についてみていきましょう。
犬の手作りごはんにしてみられたうんちの変化1:形
実際に手作りごはんを食べている愛犬のうんちは、バナナのかたちをしていて、水分量が多く、やわらかいうんちをします。
バナナの形をしたうんちはしっかり食べものを消化し、栄養素を吸収できた証拠で理想的な形です。一回踏ん張るとスルッとでる水分が多いいうんちは、腸がきちんと動いていることがわかります。
クリックすると、実際のうんちがみられます
犬の手作りごはんにしてみられたうんちの変化2:色
普段は茶色ですが、食べたものによっていろいろな色をしたうんちをします。
たとえば、かぼちゃごはんを食べた時は、うんちもやや黄色いです。紫キャベツやビーツを使った紫色のご飯を食べた時は、うんちも若干むらさきっぽいです。
食材が変わるとうんちの色もかわるので、色が変!病気かな?と心配しなくても大丈夫ですよ。
犬の手作りごはんにしてみられたうんちの変化3:回数と量
手作りごはんにしてから、基本的に1日に1回うんちをするようになりました。食べる量と比例するようで、食欲がなく食べる量が少ない時は、3日に1回という日もよくあります。
フードを食べていたときよりも1回分のうんちの量が増えて、びっくりするほど大きいうんちをします。
食欲がある日は、食事中にうんちをして、戻ってきて食べて、眠る前にもう一回うんちをしたりします。
食べる量や食欲、体質によっても変わるので、絶対に1日に1回じゃないとダメ!ということはありません。
犬の手作りごはんにしてみられたうんちの変化4:食べものが残ることがある
手作りごはんをたべはじめると、にんじんやきのこなどがうんちに食べ物が残っていることがたまにあります。
はじめは驚きますが、犬の体に合わないということではありません。
野菜やきのこなどの食物繊維という栄養素が多い食べ物は、じつは人間でも消化できずにうんちにそのまま残っています。
消化できないということは、体に悪いのでは?と思いがちですが、消化できないからこその役割がいくつもあります。
食物繊維は、さまざまなはたらきを持っており病気を遠ざけるためには必要な成分のため、うんちに残っていて消化できていないから必要ないはず!と食物繊維をさけることは控えましょう。
クリックで実際に食べ物が残っているうんちをみる
うんちの右上の豆粒のようなものがお昼に食べた小豆です。
しっかりかたちが残っています。
黄色パプリカが真ん中の方にごろっと残っています。
うんちの残りやすいたべもの
食物繊維が多い野菜や豆、きのこは、そのままうんちに出てきやすいです。
たべものがそのままでてきても、食べものの栄養素はしっかり栄養素は吸収されているため、心配しなくても大丈夫です。
異常があるときのうんち:血が混じっていると胃腸が傷ついている
血が混じったうんちや透明のドロッとしたものがついているうんちは、体に異変が起きている時です。食べたものにより胃や腸が傷ついて出血し、それがうんちに現れることが多いです。
クリックすると実際の血便と粘膜便がみられます
私の愛犬は、鳥の骨を食べてしまったときに、血便と透明のどろっとしたものがついたうんち(粘膜便というようです)をしたことがあります。
食べ物が原因であれば、1〜2日たてばなおるので心配はいりません。おなかをさすったり、体をあたためたりして様子を見ましょう。
上記のように、原因が明らかな場合はあまり心配いりませんが、原因がわからずに血がついたうんちをしているときは体内の炎症により内臓が傷ついている可能性があるので、動物病院に連れていきましょう。
【これって変?】手作りごはんを食べている犬のうんちのQ&A
- 手作りごはんをあげるようになってから、下痢しだした。
- なんだか便秘っぽいけど、手作りごはんのせい?
と、手作りごはんを食べている犬のうんちに関するあなたの疑問にこまかくお答えしていきます。
Q.手作りごはんを食べてから下痢しています。大丈夫でしょうか?
手作りごはんをはじめたときは、ドッグフードを食べていた時期が長いほど、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどがみられることがあります。
手作りごはんに詳しい獣医師、須崎恭彦先生によると、好転反応といい体の毒素が外にでている証拠だそうです。
毒素とは、ウィルスや食事からとった添加物、農薬、空気中の有害な化学物質や有害金属類などです。
毒素がたまると腎臓や肝臓、胃腸がつかれ、がんや臓器の機能障害になってしまうこともあるめ、排出することが大切です。
手作りごはんをあげるようになると、一見体調不良のような症状がみられることがありますが、毒素がでている状態のため、心配せずにごはん作りを続けていきましょう。
Q.愛犬が下痢したらどうしたらいいですか?
下痢をしているときは体の水分がかなり減るため、水不足になりやすいです。
愛犬が水を飲みたいときにいつでも飲めるようにしておき、お肉を茹でた煮汁等をあげて積極的に水分を与えましょう。
Q.手作りごはんをしてからはじめて便秘になりました。大丈夫でしょうか?
ドッグフードは中身の食材が変わることはないので、おしっこの量、うんちの量がかわることもほとんどありません。
一方、手作りごはんは毎日ちがう食べ物を食べるので、それに伴ってうんちの量や回数も変わります。私たちが日によって排便の量や回数が変わるのと同じため、あまり心配しなくても大丈夫です。
さいごに:バナナのかたちのうんちは健康のあかし!
バナナの形で適度な水分を含んだうんちは、腸により食べものがしっかり消化吸収されている証拠です。
ごはんの内容や体調の変化により下痢や便秘をするときもごくまれにみられますが、普段、バナナの形のうんちであればあまり考えこまなくても大丈夫です。
手作りごはんをあげて、バナナのうんちを出させて腸や体内をより健康に近づけましょう!
参考文献
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