犬のごはんを手作りしている人がいるみたいだけど、愛犬にとってどっちがいいんだろう?
ステマとか、お金がからんだ上での話は聞きたくない。
手作りしてみたいけど、いろんだ情報があって、何が正しいのかわからない、、、
という飼い主さんのお悩みを解決します。
この記事を読むとわかることは、
- ドッグフードと手作りごはんの、メリット・デメリット
- ドッグフードと手作りごはんの比較【栄養素も】
- 最終的に、愛犬のためにどちらを選べばいいか
この3つです。
今のあなたの気持ち、私も本当に痛いほどわかります。
私もドッグフードをあげていたころに、手作りごはんが気になり調べてみると、いろいろな意見が書かれていて、混乱しました。
本当に愛犬を思っていて、これはきっと正しい!と思える情報に出会えず、毎日真剣になやんでいました。
今では、毎日手作りごはんをあげています。
ドッグフードと手作りごはんの、両方の良さ・悪さを知る私がステマなしで、「愛犬を想う飼い主目線」で、真実のみお伝えします。
この記事の著者
- ペット栄養管理士
- 犬の管理栄養士
- 上級食育アドバイザー
- 日本ペット栄養学会正会員
- Bowls Fresh Dog Food 開発チーム
- 手作りごはん歴7年
- 食品衛生管理者
くわしいプロフィール
自身と暮らしているチワワがフードを食べなくなったことがきっかけで、手作りごはんに興味を持つ。
日々実感する手づくりご飯の魅力を伝えるべく、犬のごはん作りに関するブログ「チワワごはん」を開設。
ブログ運営の傍ら、犬の食事相談や栄養指導に励み、指導数は100匹以上にのぼる。
現在は、企業とのレシピ開発やコンサルにも力を注いでいる。
ブログ月間1.5万PV以上、インスタグラムのフォロワーは3.6万人ほど。著書「栄養満点なチワワごはんの作り方」
ドッグフードと手作りごはん、愛犬のためになるのはどっち?
どんな食事にもいい面と残念な面があります。
ドッグフードと手作りごはんの良さと残念な部分を知ることで、自身と愛犬にとってどちらの食事があっているのかを正しく見極めることができます。
また、判断材料を増やすことができるため、いま、フードか手作りかで迷っている方が読むと心から納得して愛犬の食事法を選ぶことができます。
まずはドッグフードのいいところ、残念なところを見ていきましょう。
ドッグフードのメリット1:誰でも栄養満点なごはんがあげられる
誰でもカンタンに、栄養満点なごはんを食べさせてあげられるのがドッグフードのメリットです。
栄養学について学んでいなくても、犬に必要な栄養素をとらせることができるため、栄養不足による体調不良や病気を防げます。
手作りごはんの場合は、作る人や作る材料で栄養素が変わるので、いつでも同じ栄養素量のごはんをあげることは難しいです。
メリット2:保存がきく
ドッグフードの最大のメリットは、長期保存ができることです。
手作りごはんを冷凍したとしても、一年はもちません。
ドッグフードの場合、災害時の非常食としても役立ち、保存状態がよければ1年持つこともあるので、日常食だけでなく、保存食としても優秀です。
メリット3:手間がかからない
ドッグフードを袋からだして、お皿にもりつけるだけでごはんのできあがりなので、手間は一切かかりません。
飼い主さんが使う時間は30秒ほどなので、本当に楽チンです。
忙しい時や疲れているときに、パパッと愛犬にごはんをあげられるため、飼い主さんの生活を乱すことがありません。
デメリット1:体に負担がかかりやすい
ドッグフードは添加物が多く加工食品のため、消化に時間がかかり、栄養素を吸収するときにたくさんのパワーを使います。
手作りごはんの場合は、消化によく、栄養素も吸収されやすいため、臓器への負担は少ないです。
添加物や加工食品を消化・無毒化するためには愛犬の肝臓や腎臓を中心とした臓器のパワーをたくさん使います。腎臓や肝臓を使いすぎると疲弊し、機能が低下することがあるため、加工食品中心の食事は臓器に負担をかけてしまいます。
たまに食べる分には何も問題ありませんが、毎日となると、どうしても体に負担がかかります。
デメリット2:開封後は酸化しやすく、さまざまな病気のもとに
ドッグフードの袋を開けた途端に、油を中心に酸化(空気に触れると油が変化し、劣化する現象)がはじまります。
酸化がすすんだ油は体に悪い栄養素へと変わり、元気な遺伝子や細胞を傷つけ、がん細胞を作りやすい環境を作ってしまいます。
酸化した油を多くとりすぎると、がんや腎臓病、肥満などの生活習慣病を引き起こしやすい体になってしまうため、健康のことを考えると避けたいです。
開封してすぐに1食ずつにわけて冷蔵庫に保存することで、酸化を遅らせることができます。
デメリット3:体に負担がかかりやすい
毎食同じ食材を長期間あげることが多いため、アレルギー発症のリスクもあがってしまいます。
同じものばかり食べていると、アレルゲンを受け止めるバケツがいっぱいになりやすくなり、あふれ出した途端に体が耐えきれなくなるため、アレルギーを発症してしまいます。
ドッグフードをあげる際は、とり肉をメインにしたフード、お魚をメインにしたフードと、いろいろなフードを与えることでアレルギー対策が行なえます。
手作りごはんのメリット・デメリット
つぎに、手作りごはんのメリットとデメリットをみていきましょう。
メリット1:体に負担がかからない
添加物を使わずに食材だけでごはんが作れるので、体に余計な負担がかかりません。
添加物は絶対にいけない!というわけではありませんが、愛犬の体のことを考えると、毎日、積極的に摂るべきではありません。
作り立てなので、油の酸化も少なく、体にいい状態のまま、油を摂らせてあげることができます。
メリット2:完食が増えてお互い嬉しい
手作りごはんを作るようになってから、完食がかなり多くなりました。
ドッグフードをあげていたころは食べないことが当たり前で、ささみをトッピングしたりお肉の煮汁を追加したりと、毎日食べさせることに必死でした。
手作りごはんをあげてからは、ごはんが出てくるまで待っていたり、おかわりする日もあり、私もあたたかい気持ちになれます。
メリット3:病気になりにくい体づくりができる
手作りごはんは水分が多いため、がんやアレルギーのもとになる毒素や老廃物が抜けやすい状態になります。
実際に、手作りごはんをあげるようになるとおしっこは1日2〜3回ほど、うんちは毎日1回快便をするようになります。
おしっこやうんちには体にとっては毒となる毒素が多く含まれているため、なるべくはやく排出することが病気予防の面では大切です。
体に毒素や老廃物がいる時間が減ることで、間接的に体臭や涙やけも軽減されます。フードと比べると、毒素排出が得意な食事法です。
デメリット1:多少の知識は必要
手作りごはんは、栄養の偏りや不足を防ぐため、栄養バランスよくつくる方法を調べる必要があります。
むずかしい栄養学は必要ありませんが、なかには、忙しくて調べるのも手間に感じてしまう方もいると思います。
ドッグフードはgを測ってあげるだけで栄養満点です。それに比べて手作りごはんは自分で調べること、行うことも多いため、あげにくさにデメリットに感じてしまう方もたまにみられます。
デメリット2:手間がかかる
ドッグフードは30秒あればすぐにごはんができあがりますが、手作りごはんは10分はかかります。
1週間分作り置きして冷凍したり、食材を細く切っておいて冷蔵しておくなどの時短テクニックもありますが、どれもドッグフードよりは手間がかかります。
仕事から帰ってきて、お皿洗いもしたくない。という方にとっては、調理が必要な部分が大きなデメリットに感じてしまうことがあります。
ドッグフードと手作りごはんの比較
ドッグフード | 手作りごはん | |
---|---|---|
手軽さ | ◎ | △ |
栄養 | ◎ | 〇 |
食費(100g中) | 約100〜200円 | 約100円 |
美味しさ | 〇 | ◎ |
長生きのしやすさ | 〇 | ◎ |
食費は意外とどちらもくらいの同じ値段です。(私調べ)美味しさは、完食が多い手作りごはんを◎にしました。
長生きするのはどっち?
手作りごはんを食べた犬は、ドッグフードのみの犬と比べて3年も平均寿命が長かったというデータもあります。
↓くわしい解説や根拠をおはなししています。
ドッグフードと手作りごはんの栄養素の比較
1番気になるポイントである、栄養素をじっくり比較しました。
よく売れているランキングで上位に入っていたドッグフード100gと、私が今日作った手作りごはん100gの栄養素の量を比べてみました。
ドッグフードと手作りごはんの栄養素をくらべるためにつかったもの
- ドッグフードの成分表示
- 私が今日つくったごはんの食材
- すぐわかる!栄養成分ナビゲータ
ドッグフードの成分表示や%から読みとった食材と、手作りごはんの食材のg数をグリコの「栄養成分ナビゲーター」で計算しました。
手作りごはんとフードの比較1:栄養バランスがいいのは?
手作りごはんは犬に必要な3つの栄養素がバランスよく含まれていることがわかりました。ただ、毎日使う食材が変わるため、日によってはバランスが偏っていることもあります。
一方、ドッグフードは脂質とタンパク質が多く、豊富な栄養素が含まれていることがわかりました。どのフードも上記の栄養バランスと同じわけではないため、なかには脂質が抑えられたフードもあります。
手作りごはんとフードの比較2:カロリーが低いのは?
手作りごはんのほうが低カロリーであるのに比べ、ドッグフードは栄養価が高い分、カロリーも高い傾向にあります。
手作りごはんとフードの比較3:ビタミン・ミネラルが多いのは?
比較1では、3大栄養素について着目しましたが、比較3では毎日必要なビタミン・ミネラルを比較しました。
ドッグフードの方がビタミンが豊富なことがわかりました。ドッグフードをふやかして水分量を増やすと、手作りごはんより栄養価が高くなることもわかりました。
手作り食はビタミンが少ない結果でしたが、食材が毎回変わるので、毎回ビタミンが少ないというわけではありません。
手作りごはんとフードの比較4:添加物や保存料が多いのは?
添加物の数は、加工食品のドッグフードの方が多い結果になりました。
水とフードだけで生きれるようにとビタミンやミネラルを添加し、長期保存ができるよう保存料・酸化防止剤などを含むため、どうしても添加物が多くなってしまいます。
フードに含まれる添加物や保存料はごく少量ですが、毎日数年食べ続けると臓器への負担が大きいです。
手作りごはんは当日に与えることが多いため、添加物や保存料が必要いらず、素材だけのごはんをあげられます。
結果まとめ:ドッグフードはビタミンが多く、手作りもまぁまぁバランスがよかった
ドッグフード | 手作りごはん | |
---|---|---|
三大栄養素 | ○ | ◎ |
ミネラル | ◎ | ◎ |
ビタミン | ◎ | ○ |
カロリー | △(多い) | ◎(少ない) |
添加物 | △(多い) | ◎(少ない) |
ドッグフードには、たくさんの栄養素が含まれていることが再確認できました。
手作りごはんは、その日ごとで食材が変わるため、ビタミンが足りない日もある。ということがわかりました。
手作りごはんの方が三大栄養素のバランスがよかったので、「手作りって栄養とれないんじゃないの?」と、そこまで心配する必要はない、ということもわかりました。
今回私が作った手作りごはんのレシピ
- ぶなしめじ 5g
- トマト 18g
- 小松菜 10g
- にんじん 13g
- しょうが 0.5g
- 大根 15g
- やまいも 20g
- とりひきにく20g
- 五分付き白米25g
↑実際に作っている様子↑
ドッグフードと手作りごはん、愛犬のためになるのはどっち?
今回は、フードと手作りごはんのメリット・デメリット、栄養素の比較などをまとめました。自身と愛犬にとってどの食事が最善なのかを決める材料が増えたのではないでしょうか。
私は、愛犬が喜んで私が作ったごはんを食べている姿をみて、手作りごはんのほうが愛犬のためになると感じました。
飼い主の数だけ育て方があるように、なにをもって愛犬のためだと感じるかは、人それぞれだと思います。
手作りごはんをあげてみたい。と思った方は、ぜひ以下の記事をごらんください。
手作りごはん作ってみようかなと思った人へ
手作りごはんをはじめて作る人のための、「はじめかた」を記事にまとめています。
犬に食べさせてはいけないNG食材を中心とした、手作りごはんの基本を知ることができるのでぜひごらんください。
基本から一緒に学んでごはんを作っていくオンラインのお料理教室も開催しています☺記事で読むよりも、誰かに教わりたい!!という方におすすめのサービスです。
時間がなくて手作りできないけど、手作りごはんをあげてみたい
手作りごはん作ってみたいけど時間がない。という方のために、通販で売っている手作りごはんを食べ比べました。1食200円のものもあり、試しやすく、手軽に手作りごはんをあげることができます。
愛犬の体のためにもなるべくいいものを食べさせたいと思った方は、ぜひチェックしてみてください。
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