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なぎ
7歳のチワワのモナの飼い主。
犬の管理栄養士/ペット栄養管理士/上級食育アドバイザー

自身の経験を活かし、企業様との手作りごはんやおやつのレシピ開発・作成から、商品を売りたい飼い主さんへのレシピ相談などに精を出している。

愛犬の毎日をもっとステキに!をモットーに当ブログ「チワワごはん」で情報発信中。
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【犬の栄養士が徹底解説】ドッグフードの危険な添加物&原材料まとめ

【犬の栄養士が解説】ドッグフードの危険な添加物&原材料まとめ

長期保存が可能で栄養満点なドッグフードは、腐敗や酸化などの品質の劣化を防ぐために、ある程度の添加物が含まれています。

食品に近く、安全性の高い添加物を使っているメーカーも多くありますが、なかには刺激が強い添加物やあまり愛犬に与えたくない原材料が含まれていることがあります。

愛犬が毎日食べているフードの安全性が気になり、フードを買う前に成分表示(何が入っているかわかる欄)をみて、添加物や原材料をチェックしている人が多いです。

しかし、あまりよくわからず、危険なものが入っているのかわからない…という方が多いと思います。

今回は、そんな愛犬思いの飼い主さんたちのお役に立てればとドッグフードの添加物と原材料についてまとめました。

この記事の目的は、刺激が強いドッグフードの添加物や原材料の名前、毒性の内容、どんなフードメーカーに多いのかをイラスト等でカンタンに知ることができ、これからのフード選びに自信が持てるようになることです。

あまり体に良くない添加物を使ったフードを避け、よりよいフード選ぶための参考資料としてご活用ください。

この記事の著者

  • ペット栄養管理士         
  • 犬の管理栄養士
  • 上級食育アドバイザー
  • 日本ペット栄養学会正会員
  • Bowls Fresh Dog Food 開発チーム
  • 手作りごはん歴7年
  • 食品衛生管理者
くわしいプロフィール

自身と暮らしているチワワがフードを食べなくなったことがきっかけで、手作りごはんに興味を持つ。
日々実感する手づくりご飯の魅力を伝えるべく、犬のごはん作りに関するブログ「チワワごはん」を開設。
ブログ運営の傍ら、犬の食事相談や栄養指導に励み、指導数は100匹以上にのぼる。
現在は、企業とのレシピ開発やコンサルにも力を注いでいる。
ブログ月間1.5万PV以上、インスタグラムのフォロワーは3.6万人ほど。著書「栄養満点なチワワごはんの作り方」

目次

ドッグフードの危険な添加物&原材料一覧

ドッグフードの危険な食品添加物と原材料
危険な添加物
避けたい原材料
  • 赤色◯号、黄色◯号など着色料
  • 亜硝酸ナトリウム
  • 硝酸ナトリウム
  • エトキシキン
  • ソルビン酸カリウム
  • BHA
  • BHT
  • 〇〇ミール
  • 〇〇エキス
  • アミノ酸(等)
  • タンパク加水分解物

これらの添加物や原材料は、WHOにより長期間とり続けると発がん性のリスクがあると決められているものや、毒性の実験すらされていないものなど、安全性が高いとは言えない物質です。

これらは、私が作成した「危険性チェックリスト」の4つに当てはまったために危険だと判断しました。

安全か危険かをみわけるための危険性チェックリスト

  • 実験で犬や人に悪影響があるとわかっているもの
  • 劇物や毒物に指定され、人の食品では使われていないもの
  • 安全性やリスクさえ確かめられていないもの
  • 道徳的に愛犬に与えたくないと思ったもの

私が論文や書籍、海外の国立図書館などで調べたかぎり、この添加物や原材料は犬に危険なのか安全なのかという実験がほとんど行われておらず、とても残念な気持ちになりました。

フードに使われている添加物は、1㎏~5㎏と大量の食べものを安全な状態で長期保存させるため、人間の食品と比べて菌の繁殖を抑える力や酸化を防ぐ力がとても強いものを使い、量も多く含まれています。

その分、消費期限が長いという大きなメリットがあるため、添加物=悪というわけではありません。添加物のよい面だけでなく、残念な面があることを知ることでより安全なフード選びができます。

まずは添加物から見ていきましょう。

赤色◯号、黄色◯号などの着色料

着色料の目的とドッグフード

フードの色を鮮やかにしたり、ジャーキーをおいしそうな色にするための添加物です。

色味をつけることが目的なので、あまり色にうるさくない犬にとっての必要性はほとんどありません。

着色料の毒性

犬の場合

ビーグルと着色料の実験内容

12頭のビーグル犬を3つのグループにわけて、黄色4号(タートラジン)のはいったフードを0、1、2%含ませたフードを2年間あげた実験では、2%のごはんを食べた1頭が胃炎になり、それ以外のビーグルたちに異常はみられなかったそうです。(参考:米国ワシントンDC 食品医薬品局

つまり、多すぎると体質によっては胃炎になる可能性があるかも。でも、くわしいことはわからない。といった実験報告でした。

人間の場合

着色料が人間の子供にもたらす被害

着色料は、人間の子供でのADHD、自閉症、奇形児の出産リスクアップ、突然変異(がん細胞ができやすくなる)と関係しています。(参考:Hypersensitivity reactions to food and drug additives: problem or myth?

マウスの場合

上記の着色料を、マウスに少量1年~2年かけて与えた実験では、がんや腫瘍(とくに肝臓、リンパなど)がみられました。(参考:In vitro and in vivo indications of the carcinogenicity and toxicity of food dyes

危険性をまとめると

犬に悪影響を及ぼす可能性はきわめて低いですが、マウスや人間への影響をみると、危険性は高いと思っていたほうがよさそうです。

ドッグフードではこう書かれる

  • 青1号、2号
  • 赤色2号、3号、40、104号
  • 黄色4号、5号
  • みどり3号
  • 例外)黄4、ブリリアントブルー、〇〇色素など号がつかない場合も。

日本でよく使われている着色料をもとに、フードでの記載例を表しました。ごく少量で色がでるため、成分表示の後半に記載されていることが多いです。

改めて知っておきたい!成分表示のみかた

ドッグフードのウラ側にズラっと食品名が載っている項目を成分表示といい、フードの材料を表しています。

基本的に多い順番に記載されており、〇〇エキスといった液体よりあとのものはごく少量しか使われていません。

天然サーモンや自然ラム肉といった、成分表示に工夫した食材名が書かれているフードもありますが、フードの成分表示に関する厳密な法律はなく、信頼度自体はやや低めです。

あくまでも企業努力の一つとして捉えたほうが、冷静にフードを見分けることができます。

着色料を避けるには

色とりどりなフードやキレイな赤いジャーキーは成分表示をチェックし、◯色◯号が入っていないか確認する

人工的でハッキリとした色の食品は控え、淡く自然な食材の色をした食品を選ぶようにする

亜硝酸ナトリウム

亜硝酸ナトリウムの目的

フードやおやつの色をピンクや赤色にする目的で使われており、ジャーキーなどのお肉の加工品に含まれていることが多いです。

亜硝酸ナトリウム単体での発がん性はありませんが、お肉に添加されることでがんをつくる物質を生み出してしまう特徴があります。

亜硝酸(あしょうさん)ナトリウムの毒性

犬の場合

乳がんと心臓病の犬は亜硝酸ナトリウム量が多い

乳がんになった犬はそうでない犬よりも、亜硝酸ナトリウムと硝酸ナトリウムの量が多かったことがわかっています。(参考:Oxidative stress and inflammatory response biomarkers in dogs with mammary carcinoma

また、慢性弁膜症や拡張型心筋症などの心臓病の犬も、健康的な犬と比べると亜硝酸ナトリウムと硝酸ナトリウムの濃度が高かったことがわかっています。(参考:Serum nitrate and nitrite in dogs with spontaneous cardiac disease

亜硝酸ナトリウムが犬の乳がんや心臓病と直接的な関係があるのか、どう関係しているのかなどのメカニズムはまだわかっていません。

モナ

モヤモヤするモナ…

人の場合

亜硝酸ナトリウムのラベルの表示
参考:「職場のあんぜんサイト:化学物質:亜硝酸ナトリウム」

目への刺激が強く、臓器の障害がみられるため、劇物に指定されています。一見、恐ろしい毒物のような印象を受けますが、少量であれば強い毒性はでにくいことから、ハムやべーコンなどで広く使われています。

亜硝酸ナトリウムとお肉で発がん性物質に

しかし、亜硝酸ナトリウムはお肉の栄養素とむすびつくと、体の中で発がん性物質(ニトロソアミン)をつくることがわかっています。

亜硝酸ナトリウムとIARC

ハムやベーコンは亜硝酸ナトリウムとお肉が組み合わさっているため、国際がん研究機関(IARC)によって、人に対して発がん性がある食品だと認められています。

危険性をまとめると

IARCは犬を対象にはしていませんが、ハムがタバコやお酒とグループ1に含まれていることや、犬を対象にした実験結果をみると、お肉がメインのフードで亜硝酸ナトリウムが使われている場合は避けたほうが、がんを遠ざけることができると考えられます。

ドッグフードではこう書かれる

  • 亜硝酸ナトリウム
  • 亜硝酸Na
  • 亜硝酸ソーダ
  • 亜硝酸塩
  • 発色剤

成分表示の後半に載っていることが多く、少し名前が変わり記載されていることがあります。

ウェットフードやセミモイストなどの水分の多いフードに多く、まれにふりかけ、ジャーキーなどでも見られます。

人間の食品とドッグフードの中の亜硝酸ナトリウム量
人間の食品
ドッグフード
  • 食品1kgにつき70mg以下の残存OK
  • フード1kgにつき100mg以下の使用OK

フードに入れてもよい量の規制がかかっていますが、人間の食品よりもドッグフードの方が多く亜硝酸ナトリウムを含んでもよいことになっています。

最大量の数字のみのためフードにより量にバラつきがあり、どのくらい入っているかは成分表示だけではわかりません。

亜硝酸ナトリウムを避けるには

お肉がメインのフードを買う際は、亜硝酸ナトリウムが含まれていないか成分表示をチェックする

ジャーキーなどお肉類のおやつも忘れずにチェックする

硝酸(しょうさん)ナトリウム

硝酸ナトリウムのラベル表示
参考「安全衛生情報センター:化学物質:硝酸ナトリウム」

食品を腐りにくくするために使われ、毒性が強いため劇物に指定されています。

亜硝酸ナトリウムと同じように、発がん性が問題視されています。

硝酸ナトリウムの毒性

犬の場合

硝酸ナトリウムと犬の実験結果

フードの2%に硝酸ナトリウムをいれて105日、125日与えた実験では、体に異変はみられませんでした。(参考:Nitrate in foods: harmful or healthy?

人の場合

硝酸ナトリウムの人への害

国際がん研究機関(IARC)は、体内で亜硝酸ナトリウムに変化し、同じ発がん性物質(ニトロソアミン)をつくることから、ヒトへの発がん性がある添加物だと認めています。

人間の食品では量が制限されていますが、フードではとくに規制されていません。

危険性をまとめると

犬に行った実験では毒性はみられていませんが、硝酸ナトリウムは犬の体のなかで亜硝酸ナトリウムに変わることから、発がん性が高い物質だと考えられます。

同じ哺乳類の人間で発がん性が認められている以上、避けられるならさけたい添加物です。

じつは、硝酸ナトリウムは野菜にも少量含まれている物質です。

野菜はビタミン・食物繊維などの栄養素を多く含むため体へのメリットが大きく、硝酸ナトリウムはごく少量であることから、野菜の硝酸ナトリウムにあまり神経質にならなくても大丈夫です。

添加物としての硝酸ナトリウムを摂取することは犬の体へのメリットはほぼないため、野菜の硝酸ナトリウムとはべつのものとして捉えておきましょう。

ドッグフードではこう書かれる

  • 硝酸ナトリウム
  • 硝酸ソーダ
  • 硝酸Na

海外産で人気のフードに含まれていることが多く、日本で出回っているフードではあまり見かけません。

硝酸ナトリウムを避けるには

海外産のフードを買うときは成分表示をこまかくチェックする

エトキシキン

エトキシキンは油の劣化をとめる力が強い添加物で、ほとんどのフードに含まれています。

エトキシキンのはたらき

一度開封したフードの油が空気にふれて酸化すると、がんをつくる物質の生成や自然発火などが起きやすくなってしまいます。

エトキシキンのはたらき

強力な酸化防止力をもつエトキシキンを添加することで、開封後の酸化や発火を防ぎ、発がん性の物質の生成を抑制してくれます。

エトキシキンは、過酸化脂質をつくるのをとめるはたらきがとても強力で、フードの保存性や安全性を高めるために使われています。

エトキシキンの毒性

犬の場合

1988年アメリカで、ある飼い主と獣医師からエトキシキンの有害性がはじめて報告されました。

犬の飼い主と獣医によって観察された症状は、肝臓、腎臓、甲状腺および生殖機能障害、催奇形性および発がん性の影響、アレルギー反応、そして多くの皮膚と髪の異常

引用:Ethoxyquin: An Antioxidant Used in Animal Feed

その報告をきっかけに、エトキシキンの安全性がさまざまな地域で実験されました。

エトキシキンとビーグル犬の実験結果

体重1kgにつき100〜200mgのエトキシキンを28日間、ビーグルに注射で与えた実験では、17日以内にすべてのビーグルが亡くなってしまった症例もあります。(参考:食品安全確保総合調査 エトキシキン

エトキシキンと犬の実験結果

14頭の犬に0.0001mgを毎日、5年間与え続けた実験では、体への異変はみられませんでした。(参考:食品安全委員会肥料・飼料等専門調査会 食品安全委員会農薬専門調査会

つまり、大量は危険だけどごく少量なら異変は起きにくい。ということが実験結果からわかりました。

人の場合

エトキシキンのラベル表示
参考「安全データシート エトキシキン」

強力な酸化防止力をもつエトキシキンですが、毒性が強いため人間の食品への使用は禁止されています。

発がん性だけでなく、食品安全確保総合調査によると人のリンパ球(免疫力のかなめ)の死滅したことが報告されています。

リンパ球が死滅するということは、ウイルスや病原菌と同じような作用が体の中で起きてしまっているため、長期間取り続けると病気への抵抗力が弱まっていく可能性が高いです。

危険性をまとめると

リンパ球を壊すほどの威力を持つ添加物はめずらしく、長期間体に入れ続けるのはかなり危険性が高いです。

シニアになって毎日元気で過ごしてもらうためにも、幼いころからエトキシキンを避けたフード選びが大切です。

エトキシキンの大きな問題点

エトキシキンの問題点

獣医専門誌『ペットフード疑似科学を科学する』の著者である本澤清治さんによると、フードの原料になるミールや魚粉、肉粉は油分が多く、自然発火が起きやすいそうです。

輸入や移動の際に船での火災を防ぐため、大量のエトキシキンを原料と混ぜざるを得ないそうです。

移動の際に加えたエトキシキンは原材料に表示しなくていいため、原材料にエトキシキンと書かれていなくても、ほとんどのドッグフードに使われていると考えた方がいいと話しています。(参考:獣医専門誌『ペットフード疑似科学を科学する』著本澤清治)

ドッグフードではこう書かれる

成分表示では、現段階でフードに含まれているすべてのエトキシキンの量を知るすべはありません。

原材料が日本以外の産地のフードは、ほとんどエトキシキンが含まれていると思ったほうがよさそうです。

人間が家畜を通して摂取した場合
ドッグフード(製造過程)
  • 人間の許容量は、体重1kgにつき0.005mg〜0.06mg。
  • 犬ではフード1gにつき0.075mg以下

もし、最大量のエトキシキンが含めたとすると、1kgの犬の約1食分(25g)には1.875mg量のエトキシキンが含まれている計算になります。その数、人間の食品の375倍です。

この量に輸送中のエトキシキンが加算されると考えると、とても胸騒ぎがします。移動中のフードの品質をまもるためには重要な役割をもつエトキシキンですが、愛犬を思うと避けたい添加物です。

エトキシキンを避けるには

エトキシキン不使用と書かれており、輸送中のエトキシキンにも触れているメーカーからフードを買う

なるべく日本産の食材のみを使ったフードを買う

ソルビン酸カリウム

ソルビン酸カリウムの目的

食材を長持ちさせるために使われる添加物で、フードに含まれていることが多いです。人間用の食品にはチーズやハムなどに含まれています。

ソルビン酸カリウムの毒性

犬の場合

ソルビン酸カリウムと犬の実験結果

ソルビン酸カリウムの犬への毒性はかなり低いため、あまり心配しなくても大丈夫です。

ただし、特定の添加物を同時にとったときに発がん性があることが分かっています。詳細は以下で解説しています。

人の場合

ソルビン酸カリウムのラベル表示

ガーズィ大学のSevcan Mamurらの実験では、ソルビン酸カリウムが人のリンパ球に対して遺伝子毒性(がん発症の1歩手前まですすめること)が報告されています。(参考:Does potassium sorbate induce genotoxic or mutagenic effects in lymphocytes?

食品安全委員会が行った人体や人の細胞を使った実験では、接触性じんましん、遺伝子毒性があることや、特定の添加物とくっつくと発がん性のある物質をつくってしまうこともわかっています。

たとえば、

ソルビン酸カリウムと発がん性のある添加物
参考:食品安全委員会 添加物評価書 ソルビン酸カルシウム

どれもよくフードに含まれているものなので、成分表示をみて、該当する添加物や栄養素が含まれていないか確認すると安心してフードを与えることができます。

危険性をまとめると

ソルビン酸カリウム単体は毒性は低いものの、組み合わせによって危険性が高くなる添加物です。

発がん性物質を摂取するメリットはないので、組み合わせ次第では避けたほうが体にはやさしいです。

ドッグフードではこう書かれる

  • ソルビン酸カリウム
  • ソルビン酸K

フードを購入前に、ソルビン酸カリウムのほかにビタミンC、EDTA、クエン酸、亜硝酸ナトリウムの表示がないかチェックするとより安全なフードを選ぶことができます。

BHA(ブチルヒドロキシアニソール)

BHAの目的

油や食品の劣化を防ぐために使われます。

人間の食品(油脂やにぼし、ポテトチップスなど)や歯の治療時に神経をマヒさせるために使われることもありますが、おもにドッグフードや家畜のえさ、化粧品に使われています。

BHAの毒性

マウスの場合

BHAのはたらきは量で変わる

BHAの量や条件、動物の種類によっては間接的にがんをおさえたり、進めたりする働きも報告されている添加物です。

人の場合

BHAのラベル表示

BHTを取り扱う際には、保護手袋や保護衣の着用するようにと安全データシートで注意書きされています。

国際がん研究機関(IARC)では、人への発がん性のリスクがあるかもしれない。と排気ガスと同じグループの2Bに指定されています。

犬の場合

BHAと犬の実験結果

1日250mgを超えて犬に与えると、肝臓に障害をもたらすことが報告されています。(参考:食品酸化防止剤の毒性および代謝について

生後7〜8ヶ月のビーグル25頭に、1kgにつき10,000mgのBHAを6ヶ月与えた実験では、成長遅延がみられました。(参考:Safety and efficacy of butylated hydroxyanisole (BHA) as a feed additive for all animal species

危険性をまとめると

少量では問題はないが、大量に摂取すると危険性が高くなる添加物です。

フード内のBHAが少量であっても、毎日BHAを摂取する生活が数年続くと考えると、大量に摂取することになるため危険性は高めです。

ドッグフードではこう書かれる

  • BHA
  • ブチルヒドロキシアニソール
  • 酸化防止剤

BHAは3つの名前をもつため、見落としやすいです。チェックし忘れないようにメモしておきましょう。

人間の食品
ドッグフード
  • 人間の摂取許容量は、体重1kgにつき0.5mgまで
  • フード1gにBHA、BHT、エトキシキンを含めた合計量0.15mg以下

1kgの犬の約1食分(25g)に7.5mgほどのBHAやBHTが含まれている計算です。(最大量までBHAやBHTが入っていたときの量です。)

犬での毒性があまりみられていないためか、人間と比べるとかなり多いです。

BHAを避けるには

成分表示にBHAと書かれていないフードを選ぶ

酸化防止剤のみ書かれている場合は、公式サイトでの商品詳細をチェックし、どの種類の酸化防止剤を使っているか確認する

BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)

BHTの目的

油やプラスチックの劣化をふせぐために使われます。身近なものでは化粧品やゴム製品などに使われることが多いです。

BHAと似たはたらきをしますがBHAよりも吸収がはやく、皮膚や脂肪に溜まりやすいという性質があります。

BHTの毒性

犬の場合

犬への毒性は報告されていません。

7匹のビーグル犬の体重1kgにつき25mg、110mg、220mgのBHTを6ヶ月間あたえた実験では、どのグループでも体に異変がみられることはありませんでした。(参考:Six-month toxicity study of butylated hydroxyanisole in beagle dogs

人の場合

BHTのラベル表示

人間が原液を口にすると、ふらつきやめまいなどの神経症状や嘔吐、頭痛などがみられる劇物です。

目や生殖機能への刺激が強いため、取り扱い時には保護服などの着用が推奨されています。

マウスの場合

BHTのマウスの実験結果

マウスやラットでの毒性は強く、発がん性や臓器の障害をもたらすことがわかっています。

体重1kgにつき0.5~1.0gのBHTを長期間摂取したマウスには、腎臓と肝臓への損傷がみられ、肝臓に障害をもたらしました。(参考:Final Report on the Safety Assessment of BHT

BHTを与えられたラットは、前胃粘膜表面の腫瘍や皮膚の悪性腫瘍の発生確率がアップしました。(参考:2 Final Report on the Safety Assessment of Butylated Hydroxyanisole)

危険性をまとめると

犬での毒性は見られていませんが、体にたまりやすい性質やマウス、人間での毒性などを含めて考えると、避けたい添加物です。

ドッグフードではこう書かれる

  • BHT
  • ジブチルヒドロキシトルエン
  • 酸化防止剤

BHAと同じように名前が3つあるため、やや覚えにくい添加物です。

人間の食品
ドッグフード
  • 人間の摂取許容量は、体重1kgにつき0.25mgまで
  • フード1gにBHA、BHT、エトキシキンを含めた合計量0.15mg以下

BHAと同じように、1kgの犬の約1食分(25g)に7.5mgほどのBHAやBHTが含まれている計算です。(最大量までBHAやBHTが入っていたときの量です。)

BHTを避けるには

成分表示にBHTと書かれていないフードを選ぶ

酸化防止剤のみ書かれている場合は、公式サイトでの商品詳細をチェックし、どの種類の酸化防止剤を使っているか確認する

フードに含まれている添加物は基本的にごく少量ですが、数年かけて食べるとなると体に蓄積してしまうため、危険性は増してしまいます。

安全な添加物を使った体にいいフードを食べてもらうためには、成分表示をチェックして、危険性の高い添加物を避けることが大切です。

ドッグフードで避けたい原材料

ドッグフードでなるべく避けたい原材料

原材料とはフードのおおもとになる食材のことです。カレーで例えるとお肉やじゃがいもなどの具材を指します。

いくら安全な添加物を使っているフードでも、原材料が安全でないものは体にいいフードとはいえません。

ここからは、ドッグフードでよく使われてる避けたい原材料についてまとめていますので、見ていきましょう。

ミール

ミールの目的

私たちの食品をつくるときに余った動物のお肉を加工したものをミールと呼び、フードの栄養素を補充するためやおいしさをアップさせるために使われます。

お肉といっても、もも肉やむね肉といった一般的なお肉ではなく、動物たちの臓器や顔の一部、病気や事故にあった死体などが使われることがあります。

ミールの毒性

ミールと犬の実験はされていないので、毒性はわかりませんでした。

ミールの考えられる毒性

考えられている毒性は、安楽死した動物に打たれた抗生剤の蓄積による薬物耐性(薬が効かなくなってしまう状態)やエトキシキンの大量添加(ミールのもとになる動物は輸送されるものがほとんどのため)による臓器の損傷などです。

ミールには動物たちの死体(dead meat)や死にかけ(dying)のお肉が使われており、そのことから関係者のなかでは4Dミートと呼ばれているそうです。

ミールの詳しい内容をまとめています。衝撃的な内容ですが、愛犬の健康を心から願っている方はぜひ読んでみてください。

ドッグフードではこう書かれる

  • 〇〇ミール
  • 〇〇ミート
  • 〇〇副産物
  • 〇〇

これまでにドッグフードを買ったことがあり、成分表示をなんとなく見ていた方は一度は見たことがある原材料だと思います。

とり肉や牛肉といった、スーパーでも売られているような名前で記載されているフードは、人間が食べる部分を使っている可能性が高いため安心できます。

ミールを避けるには

上記の原材料が成分表示にかかれていないかチェックする

なるべく聞いたことがある原材料をつかったフードを選ぶ

エキス

エキスの目的

エキスは調味料のようなもので、味付けのために使われる添加物に近い食品です。

食材から科学的処理を施し抽出したうまみを何十倍かにし、少量でも味が濃くおしいく感じられるといった特徴があります。

エキスの毒性

犬の場合

いまのところ、わかっていません。

人の場合

エキスの毒性

目や皮膚、気道にとっては刺激があり、炎症を起こすことがわかっています。(参考:Material Safety Data Sheet Yeast Extract

私が調べたかぎりですが、長く体に入れた時に起きる悪い影響は調査されていないため、不明です。

危険性をまとめると

全体的にわからない部分が多いことと、おいしさを追求した食品であることを含めると、あまり積極的にはあげたくない原材料です。

多くの食品添加物を生み出した元職員の阿部司さんの暴露本「食品の裏側」では、エキスの味が濃いために食べ続けると味覚障害になる可能性がある話していました。

もっと濃い味のフードを求めるようになったり、野菜やお肉の味がわからなくなってしまうのはあまり健全ではないため、やや危険と判断しました。

ドッグフードではこう書かれる

  • 〇〇エキス

エキスは食品扱いのため、無添加と表示されているフードにも含まれていることがあります。

パッケージや雰囲気で判断せずに、きちんと裏側をみて判断することでやさしい味わいのフードを選ぶことができます。

エキスを避けるには

成分表示にエキスが含まれていないかチェックする

食いつきが評判のフードや無添加のフードはより注意して成分表示をみること

タンパク加水分解物

タンパク加水分解物の説明

タンパク加水分解物は、お肉やお魚が原料のうまみ調味料です。

うまみだけでなくコクもつけられるので、いろいろな食品の味付けとして使われています。

タンパク加水分解物の毒性

タンパク加水分解物の毒性

マウス、犬、人間を含め、タンパク加水分解物が体に悪いかどうかはわかっていません。

食品が安くでおいしくなる。という点で使われているのが現状です。

エキス同様、濃い味に慣れてしまう可能性があり、安全性も危険性も不明という不確かさの2点でやや危険な原材料と判断しました。

ドッグフードではこう書かれる

  • タンパク加水分解物
  • 加水分解タンパク質
  • 加水分解〇〇類

かならず加水分解という名前がついているので、わかりやすいです。

タンパク加水分解物を避けるには

成分表示をみて加水分解の文字がないかチェックする

ミックストコフェロールやローズマリー抽出物は?

ミックストコフェロールとローズマリーエキス

BHTやBHAの酸化防止剤の変わりになるミックストコフェロールとローズマリー抽出物は、もともとの原料からみると、どちらも毒性は低めです。くわしい内容を一つずつ見ていきましょう。

ミックストコフェロール:安全性は高い

ミックストコフェロールの毒性

ミックストコフェロールは、天然と合成ビタミンEを混ぜた酸化防止剤(BHAなどと同じように油の劣化を防ぐ)で、もともとは栄養素です。

BHAやBHTと比べると油を劣化させる力は劣るものの、ビタミンE自体の毒性が低いため、安全性は高いです。

犬の体内でビタミンEと同じ働きをするかは不明なので、栄養素としてのはたらきは期待できません。

ローズマリーエキス:安全性は高い

ローズマリーエキスの毒性

ローズマリーエキスには、マウスのてんかんを抑制したり、ストレス軽減などのはたらきがあります。(参考:Therapeutic effects of rosemary (Rosmarinus officinalis L.) and its active constituents on nervous system disorders

ほかの添加物とちがい体へのメリットもあり、ローズマリー抽出物の危険性は低いです。

ただ、過剰にとるとアレルギー症状を誘発することがあるため、アレルギー予防のためにも一つのフードに偏らず、いろいろなフードを与えるようにしましょう。

危険な添加物をさけて、いいドッグフードをあげよう

成分表示をみながらフードの良しあしを見分けることができると、危険な添加物や原材料を避けられ、安全で体にいフードを選ぶことができます。

フード選びに自信が持てるだけでなく、心から安心して愛犬にフードを与えることができるため、フードに抱いていた不安な気持ちが消え、お互いの毎日がもっとステキな毎日へと近づきます。

愛犬の体にいいものを食べさせたい。と思っている飼い主さんのお役に立てればうれしく思います。

共有いただけると嬉しいです!紹介、引用OKです!

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